10月27日に衆院選で自民、公明は合わせて215議席にとどまり、過半数(233議席)に届かず、大敗した。石破首相は敗因について政治資金収支報告書への不記載といった政治と金の問題を挙げ「国民の疑念、不信、怒りが払拭されていないことが最大の要因」と分析した。まさにその通りだと思う。まだ日本は民主主義が機能している。ただ投票率が53.85%しかなく、戦後3番目の低さだったのが気にかかる。投票に行かないということは日本の将来を決めることができる権利をみすみす放棄するということである。投票率の低い国にはとんでもない政治家や政党が誕生する傾向があるらしい。そのような国にはなってはならない。今回の選挙で選ばれた人たちは、与党のみならず野党も大きな責任を負うことになる。メリハリの利いた「賢い支出」を徹底し、持続的発展ができる国を作っていけるよう、責任ある行動を求めたい。
さて、2024年12月(2025年1月引き落とし)からDB(確定給付企業年金)等の他制度に加入している方のiDeCoの拠出限度額が1.2万円から最大2万円に引き上げられた。
iDeCoとは、公的年金(国民年金・厚生年金)とは別に給付を受けられる私的年金制度の一つである。公的年金とは違って加入は任意、加入の申込や掛金の拠出・運用の全てを自身で行い、掛金とその運用益との合計額をもとに給付を受けることができる制度である。投資対象として投信、定期預金、保険などがある。資金の引き出しは原則60歳以降なので長期投資である。
iDeCoは何といっても税優遇が魅力である。①購入時は掛金全額が所得控除になる。②運用益は非課税である。③受給時は運用益も含めて原則課税であるが一時金として受け取る場合は退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金控除という非課税枠が使える制度である。
掛金については最低5,000円/月から1,000円単位で拠出することができる。上限額は、公的年金の被保険者種別や勤務先の企業年金制度の加入状況により異なる。
・第1号被保険者(自営業者)の方 68,000円/月 ただし国民年金基金又は国民年金の不付加保険料との合算
・第2号被保険者で企業年金、DC(企業型確定拠出年金)いずれにも加入していない方 23,000円/月
・第2号被保険者でDCに加入している方 20,000円/月
・第2号被保険者で企業年金に加入している方、又は共済組合員(公務員等) 20,000円/月
・第3号被保険者(専業主婦等)の方 23,000円/月
低金利の時代、税制上の優遇措置があるiDeCoは高い実質利回りが望めます。活用されてみてはいかがでしょうか?