先月に取り上げたが令和8年度税制改正で、高付加価値型の設備投資を行った場合に即時償却又は一定の税額控除が認められる「特定生産性向上設備等投資促進税制(大胆な設備投資促進税制)が創設される予定である。令和7年度税制改正において、100億企業の創出を促進するため、中小企業経営強化税制に新たな類型(E類型)が拡充されたが、今回の大胆な設備投資促進税制はいわばE類型を中小企業以外にも適用できる改正と言える。E類型を活用するには、経営規模の拡大を行う投資計画を策定し、経産局の確認を受けることが必要である。その前提となる投資計画には、売上高100億円超を目指すにあたり、事業基盤財務基盤及び組織基盤が整っていることが要件になっている。これは100億企業のみならず経営するにあたり大事な項目が入っているので取り上げてみた。

【事業基盤の条件】

① 事業の対象とする顧客及び市場を明確に設定していること。

② 事業を行う市場規模が売上100億超に増加させるために十分な規模であること。

③ 顧客が購入を決断する要素・判断基準を把握していること。

④ 市場における自社の優位性があること。

その他にも条件があるのだが上記①~④は売上増を目指す際に重要な要素となる。闇雲に売上増を目指したのではだめである。成功するためには上記項目を綿密に分析し、冷静に判断しなければならないということである。

【財務基盤の条件】

① 自己資本比率が30%以上であること。

② EBITDA有利子負債倍率が10倍以内であること。

①もしくは②となっているがEBITDA有利子負債倍率とは(有利子負債-現預金)÷EBITDA(営業利益+減価償却費)で求められ、企業が年間の稼ぎ(EBITDA)有利子負債を何年で返済できるかを示す財務指標である。これが10倍以内ということは、設備投資をしても10年で返済できる有利子負債に抑えなければならいということである。

【組織基盤の条件】

① 債権債務の適切な管理が行われていること。

② 在庫の適切な管理が行われていること。

③ 予算及び資金計画の適切な管理体制が構築されていること。

④ 数値管理に対するシステム又は体制が備わっていること。

⑤ 売上目標の設定が適切に行われていること。

⑥ 部門別の管理体制が構築されていること。

上記の組織基盤の条件は企業が発展する段階で求められるものであり納得できる項目ばかりである。100億企業でなくても整備していかなければならない項目である。