イスラエルとハマスの戦闘が連日報道されていたが、戦闘休止が実現し一部人質の解放も実行された。家族と喜び合う映像が流れ少し安堵できるが、喜び合っているその人間同士が憎み合う姿を目にすると暗澹たる気持ちになってしまう。一日も早い停戦を願うばかりである。
先日「心を高める経営を伸ばす世界大会」が開催され、愛媛の仲間とともに参加してきた。この会は盛和塾の流れを引き継いだ世界中の経営者が集い、その経営体験を発表する大会である。中国から一人、ハワイ在住の日系人一人、日本の経営者5人の合計7人が発表された。皆さん稲盛経営哲学を指針にして、試練を乗り越え、全従業員の物心両面の幸福の追求を成し遂げるために、実践行動し結果を出してこられている。素晴らしい発表であった。 盛和塾時代の世界大会にも匹敵するパワフルな大会だった。
そんな経営者にまじって、愛媛からは弊所のお客様でもあるABC開発㈱の西口泰宏氏(45歳)が中四国代表者として発表された。他の皆様にも勝るとも劣らぬ素晴らしい発表であり、参加された千名を超える参加者に大きな感銘を与えたのは間違いない。西口氏は事実上倒産状態にあった18億もの債務を背負った会社を引き継ぐところから経営者人生を始められた。お金もない、信用もない状態から、自分のできることと言えば一生懸命働くことのみ、「誰にも負けない努力」をしようと、日々懸命に働き続けられた。厳しい現実につい負けそうになる自分を、「燃える闘魂」で励まし続け何とか債務の返済をされた。その過程で、事業の多角化に取り組まれ、運送業、舗装業、不動産業、環境事業、保育事業を次々に手掛けられた。部門別採算を徹底され、それぞれの部門が相乗効果を生み出すようになっており、今では各部門が立派な一つの会社として成り立つような企業に成長されている。そして、売上16億円、税引き前利益率17%という驚異的な高収益企業を築き上げられた。その成長の原点は何かというと、西口氏の経営者能力もさることながら、「従業員を思う気持ち」に尽きる。従業員のために少しでも良い会社にしようと、小さなことから一歩ずつ毎日コツコツと努力を重ねられた結果である。まさに稲盛経営哲学の実践である。同じ愛媛にも、逆境からこのような会社を生み出すことができる経営者がいる、ということは皆様の大きな励みになられることと思い、今回書かせていただいた。しかし当然課題もある。急成長してきた会社なので人材育成としっかりとした組織作りが急務だと思うが、今後も稲盛経営哲学を学び続けられ、謙虚にさらに努力を続けていかれればますます成長発展されることは間違いない。愛媛のためにも頑張っていただきたいし、弊所としても成長発展の一助になれるよう努力しなければならない。