コロナウィルスの感染者数も連日増え続けているが、日本においてもすっかりウィズコロナに移行して、止めていた経済活動、社会活動が再開されている。ただ、ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあり、色々なものが入りづらくなり、様々な値上げが相次いでいる。世界的にもインフレが懸念されている。これからは日本も「インフレ」に向き合う時代になるのだろうか?
話は変わるが先日、日経新聞に厚労省が副業解禁を企業に求めるとの記事が掲載された。副業を制限するようなら理由開示を促すとのことである。以前から厚労省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、副業・兼業を促進していた。そのガイドラインには、副業・兼業は労働者と企業にそれぞれ次のようなメリットがあると述べられている。
【労働者】
- ①離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、スキルや経験を得ることで、労働者が主体的にキャリアを形成することができる。
- ②本業の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる。
- ③所得が増加する。
- ④本業を続けつつ、よりリスクの小さい形で将来の起業転職に向けた準備試行ができる。
【企業】
- ①労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。
- ②労働者の自律性・自主性を促すことができる。
- ③優秀な人材の獲得・流失の防止ができ、競争力が向上する。
- ④労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。
皆さんどう思われますか?あまりにも本業の会社がかわいそうである。経営者は労働者の物心両面の幸福実現のため、①、②、③を実現すべく心血を注いでいるのである。本業の会社ではこれらの実現は難しく、副業を認めることにより実現できるのか?企業側のメリットの項目にしても、副業によって実現できるのか?あまりにも安易でばかげているとしか言いようがない。日経新聞によれば、政府は副業の普及が成長分野への人材移動につながるとみているとのこと。簡単に実現するとは思えないが、極論すれば、成長分野以外の会社は不必要ということなのか?会社の判断で副業を認めること自体は良いと思うが、政府が半強制するのはいかがなものか。「働き方改革」にしても日本人の勤勉性を奪いかねない政策である。欧米では多様な働き方の手段として副業が広がっているとのことだが、安易な政策の模倣はかえって国力を落としかねないと思う。