今年も昨年と同様に、コロナ禍の中、連日多くの方の確定申告をさせていただいているが、そんな中ロシアのウクライナへの全面侵攻というとんでもないニュースが飛び込んできた。ウクライナ各地の軍事施設が空爆で破壊されたほか、ロシア軍はウクライナ各地に侵攻し、首都キエフも包囲され、十数キロに侵攻してきているようだ。ウクライナという主権国家に全面戦争を仕掛け侵略するというまれにみる暴挙である。米欧それに日本もロシアに対して経済制裁を実行すると表明しているが、効果が表れるには時間がかかるし、天然ガスのロシアの依存度が高い欧州は、どこまで実行できるか疑問である。プーチン氏は歯牙にも掛けてないのではと思ってしまう。

1945年以来80年近くに及んだ「戦後」はあっけなく終わってしまった。世界は再び、危うい時代に逆戻りしたと考えざるを得ない。2022年2月は「暗黒の2月」として世界の歴史に刻まれることになる。プーチン氏は歴史に名を遺す政治家になった。日本にとっても対岸の火事ではない。中国や、北朝鮮は事の顛末に目を凝らしている。ロシアが軽い代償しか払わずに済めば、台湾海峡などで強硬に出ても大丈夫だと判断してしまうだろう。そういう意味でも今後のロシアに対する対応が本当に重要である。

1945年の第二次世界大戦の終戦以来、曲がりなりにも平和が続いてきたが、それが壊れる予兆はあった。それはコロナウィルスがきっかけになった。新型コロナウイルスの感染爆発は、国民の政府への不満を増幅させ、民主主義国では選挙などで指導者が交代した。中国、ロシアなど強権国家は国内の不満を力で抑え込み、対外強硬路線に突き進んだ。その対立が鮮明になっていた。

ロシアは超えてはいけない一線を越えてしまった。世界は今、冷戦後最大の危機の淵に立たされている。国連をはじめ国際社会はロシアを止めるために団結し、経済制裁を実行しなければならない。ロシアは世界一の天然ガス、そして世界第二の石油の産出国であり、制裁する側も大きな影響を受けることは避けられない。とはいえためらっている猶予はない。今こそ多くの国が制裁の輪に加わりロシアの暴挙を止めなければならないと思う。

日本も国力の低下が指摘され始めて久しいが、今回のような事態を目の当たりにすると、やはり防衛力を含めた国力が必要ということになる。その側面からも経済の立て直しが急務である。ただ今は、恐怖にさらされているウクライナの人々に一刻も早く安全な日々が戻ることを祈るばかりである。