収束の見えないコロナ禍の中8月28日に、安倍総理が突然辞意を表明した。8月上旬に持病の潰瘍性大腸炎が再発し「病気と治療を抱えて体力が万全でない中、政治判断を誤ることがあってはならない」という理由で、決断されたようである。日本のリーダーとして7年8か月にわたり政権を担ってきた心労の大変さはいかばかりだったかと容易に推察できる。安倍政権の功罪は多々あるけれども、敬意を払うとともに一日も早い病状の回復を願っています。

ただ、新型コロナウィルスの収束や、経済再生は道半ばであり、大統領選挙がある米国や台頭する中国との関係等々、残された課題は山積している。後継者争いも本格化しているが、誰が総理大臣になろうとも、切れ目ない政策遂行が求められる。早く後継者を選出し、スピード感のある実行力を発揮していただきたい。

さて、このところコロナがすっかり社会に定着し、いわゆるウィズコロナ時代となってしまった。このような「未曽有の不景気の中を生き抜くにはどうしたらよいか?いかにしたら生き残れるか?」が経営者の大きな課題となっている。残念ながらこのような不景気を乗り切る処方箋はなかなかないのである。実は今までの経営が問われるのである。世の中には今回のコロナ禍のようなまさかが必ず起こる。それに備えるには、高収益な会社、しっかり内部留保ができている会社、更には事業の多角化ができている会社になっていることが求められる。

コロナ禍を機に事業の多角化、事業そのものの転換について考えている方もあろうかと思うので、今回は多角化の取り組み方について述べてみる。もともと中小企業が成長発展していくためには、事業の多角化が必要である。同時に多角化ができていればリスクが分散される効果もある。ただ実際は事業の多角化に多くの方が失敗されている。ひどい場合はそれが致命傷になり倒産の憂き目にあった会社も多々見受けられる。多角化のポイントは、①まず本業がしっかりしているということ。②新規事業は自分が取り組んできたノウハウや強みが生かせる事業を選択すること。新規事業には当然ライバルが存在している。その中で打ち勝つためには何のノウハウのないところに打って出ても、うまくいかないのは当然である。そしてできれば③ニッチで成長性のある事業を見つけること。そして一番大切なことは④経営者本人が陣頭指揮をとること。人任せでは決してうまくいかない。最後は⑤どうしても成功させるという強い思いが必要である。このように取り組むならばなんとか多角化ができるのではないかと思う。コロナ禍の中ですが、必ず生き残るという強い思いをもって乗り切っていきましょう。