6月24日に英国のEU離脱が国民投票の結果決まった。 まさかの結果である。世界中に激震が走り、世界同時株安が起こり、たった一日で約330兆円もの時価総額が消失した。 英国は当然のこと、EU諸国も、日本も含めた世界中の先行きが一気に不透明になってしまった。 特に英国では、離脱後のシナリオは描けておらず、今後Brexit(ブレグジット)がどういう影響を及ぼすのか、 誰が国を運営するのかが全く見通せず不安と混迷が深まっている。 今回の結果は、英国だけではなく世界中をまさに海図なき航海に導いてしまった。
そもそも今回の国民投票を行う意味があったのかと思う。 キャメロン首相はどうも、今回の国民投票を政治基盤の強化を目的に実行したのではないかと思う。 彼もまさか離脱に決定するとは思いもよらなかったはずである。EU離脱はまさに英国民の民意である。 それは国民投票という直接民主主義の結果であるので、有無を言わさぬ決定力がある。 私は、やる必要のない、やってはいけない投票だったのではないかと思う。 ともあれキャメロン首相はBrexitを招いてしまった指導者として歴史にその名を残すことになった。
さて日本への影響だがこれも同じように不透明であるが、一番心配なのは為替である。 90円台、80円台の円高になれば日本企業は大打撃を受け、日本全体の景気を冷え込ませてしまいかねない。 こうなると一企業の努力だけではどうしようもない。
今回のBrexitのように、世界中がますます不透明な時代になっていくと思われる。 何が起こっても不思議ではない。だからこそ、どんな時代が来ようとも、持ちこたえるだけの自己資本(内部留保)が必要である。 そのためには普段から顧客獲得や絶え間ない改善を重ね、高い利益(税前利益10%以上)を目指さなければならない。 そして税引後利益を営々と蓄積して厚い内部留保を実現し、 どんな事態にも耐え得る安定性と信頼性のある会社にならなければならない。 そうなれば一番大切な従業員の雇用の確保ができる。努力によって世界は変えられなくとも、自社を変えることはできます。
しかし英国だけではなく、世界中が寛容さをなくしナショナリズムに向かっていることが気がかりである。 共同体はメリットだけではなくデメリットもあることは当然である。 メリットだけを享受することができないのは自明の理である。 今こそ、世界が、忍耐や寛容さをもったグローバリズムを目指さなければならない時だと思う。