皆様すでにご存じだとは思いますが、来年(平成27年)1月1日の相続から相続税が増税されます。 今回はその増税の内容と対策について触れてみます。
今回の増税の一番の要因は、相続税の計算上、相続税の基礎控除といわれる控除額が大幅に減額されることです。 基礎控除額は次のように縮小されます。
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数 ⇒ 3,000万円+600万円×法定相続人の数
日本人の標準世帯つまり配偶者と子供2人の家族構成ならば現在は8,000万円の控除が 来年1月1日からは4,800万円の控除しかなくなるわけで4割もカットされるわけです。
例えば2,400万円の自宅、2,400万円以上の金融資産等があれば相続税の対象になってしまいます。 この場合、自宅を50坪とすれば、坪当たり48万円以上の評価であれば課税されることになります。 坪48万円以上というのは松山でいえば住宅地区としてはかなり高い地域となり、持田町とか岩崎町あたりになり、 いわゆる高級住宅地といわれるところしか対象になりません。 こうしてみると、松山あたりで新たに相続税の課税対象者となられる方は、現実的には 自宅の評価が2,000万円までで、金融資産等が3,000万円以上ある方達ではないかと思います。
このように松山のような地方でも相続税の課税対象者が増えます。 全国ベースでは今回の改正で課税対象者が4%から6%に増えるということです。 しかし首都圏では二人に一人は申告が必要になるとの試算もあり、相続税は今まで一部の富裕層にかかる税金のイメージだったのが、 より身近(?)な税金となるようです。
最近とみに相続税対策の記事や、対策セミナー等の開催を色々な媒体で目にしますが、あわてることはないと思います。 親と同居している場合等には小規模宅地特例といって240平方メートルまでの自宅は80%の評価減ができます。 この特例は平成27年の相続からは330平方メートルまでに拡大されます。 生命保険や退職金の非課税枠の活用や、長年にわたり合法的に贈与をするなど<じっくり対策をすれば相続税の軽減は図れます。 ただ、色々と注意しなければならない点もありますので、詳しくは当事務所にお尋ねください。