4月の原稿で案内した稲盛和夫氏による公開フォーラムが去る8月6日にひめぎんホールで開催され、 3千人もの方が参加され長時間にわたり熱心に聴講されました。
内容は、 『我々の歩む人生とはどのようにつくられているか』ということを次の三つの視点から講演されました。 第一には、陰隲録という中国の古典の話から『因果の法則』が存在することを、第二には、 現在の大宇宙をつくり今なお膨張を続けているいわゆるビックバンセオリーと呼ばれる宇宙生成の話から、 善き思いは万物を成長発展させる『宇宙の意思合致する』ということ。
また、最後に稲盛氏自身の経験からは『善きことを思い、善きことを実行すれば、運命は必ず善き方向に変わっていく』ことを話され、 自らの心しだいで人生は好転する。 つまり自分の心を少しでも純粋で美しいものに変えていくように努力すれば、 自分自身の人生を素晴らしいものへと好転させていくことができるという話でした。
人生の目的とは人生という道場で人格を高めよう、自分の心、魂を立派なものにしていこうと繰り返し努力すること。 つまり魂を磨くことにある。 そのために人は生きるのではないかということでした。
公開フォーラムに関しては新聞に一回広告を出したのみであったにもかかわらず、3千人をはるかに超える申し込みがあり、 事務局には締め切り後も「是非聞きたいのだが何とかならないか?」という多数の問い合わせがあったとのことである。 この愛媛においても稲盛氏のファンが数多くいらっしゃることが分かり大変嬉しく思いました。
当日の会場は、稲盛氏の講演において醸し出す独特の静寂さと緊張感があり、途中で退席される方は一人もいらっしゃいませんでした。 多くの方が、多様な価値観に翻弄されがちな現代のなか、稲盛氏の講演に人生の道しるべとなるもの求められているのだと感じました。
稲盛氏は全従業員の幸福を実現しすることが経営者の最大目標であるといつも言われています。 そのためには純粋で美しい心、自己犠牲も厭わない姿勢で努力することが求められるのだと思います。 そして最後に『自分の人生は良かった。この人生は魂を磨くことができた素晴らしい人生だった』 と思えるような生き方ができれば最高の人生なのだ、と心から思うことができた講演でした。