日本税務研究センターが主催する夏期セミナーを受講してきた。昨年は所用で出席できなかったが、改めて中身が濃い研修だと思った。

今年も財務省から前主税局総務課長に、税制改革と今後の動向という講演を受けたが、中身は日本の財税状況が中心であった。基礎的財政収支はここ最近益々悪化し、いわゆるワニの口は開きっぱなしである。

財務省のレジュメは良くできているのだが、その中にわが国の財政を家計にたとえたらという次のような表が掲載されていた。

 

 

いかがであろうか?40万円しか収入が無いのに60万円もの家計費を使いその上19万円ものローン返済がある。不足分は毎月39万円もの新たな借入れでまかなっている。その借金が積もり積もって7,631万円になる。一般家庭や企業であればとうに破産している。こういう状況であれば誰も融資などしてくれないはずなのに、国家となると融資を受けることができる。不思議である。誰がこんな状態にまでしてしまったのかと言いたくなる。

ここにきて安倍政権が消費税増税を再検討と記事が出ているが、真の経済再生を目指すのであれば財政再建は避けて通れないと思う。消費税増税は先延ばしすべきではない。しかし増税のみに頼る財政再建は危険であるし、不可能であると思う。歳出削減つまり家計費60万円の削減の努力は当然求められる。日本の歳出削減の努力は決定的に足りないと思う。今こそ痛みを伴う財政再建の好機である。安定政権はそのために与えられたと考えるべきではないだろうか。