確定申告も無事終了し、3月15日は久しぶりに開放感に浸ることができました。つかの間ではありますが幸福な時間でした。

 

そんな中、久しぶりに休日が取れたので今年の3月11日に砥部町にオープンした坂村真民記念館を訪ねてみました。

 

坂村真民氏は『念ずれば花開く』で皆さまご存知かもしれませんが、癒しの詩人とよばれその平易で慈愛あふれる詩は小学生から財界人まで広く愛されています。闇の中で苦しむ多くの人がその詩に生きる勇気をもらったことと思います。高名な教育者である森信三氏も早くからその才覚を見抜き後世に残る逸材と評しました。

 

真民氏はどうして皆の心に響く詩が作れるのでしょうか?それは真民氏が人間としてどうあるべきかを追い求める詩人であり精神もその生活も決して安楽に座することを許さず、自らを律する生活を強いていたからだと思います。

 

致知出版社の藤尾秀昭社長がインタビューしたなかで、真民氏が毎日午前0時に起床して未明に重信川の河原で祈りを捧げる日課について語ったとき、「年寄りは早起きだとみんな言いますが、私だって実は早起きは辛いのです。正直寝ていたいのですが私は詩人です。詩人が安逸な暮らしをしていたのでは、人の心に響くような詩は書けません」と言われたことが強烈に印象に残っていると話されています。真の創造的なものは危機の中からしかできないという信念があったようです。真民氏にとって詩作はまさに求道だったのだと思います。

 

実は真民氏の生前、毎月第一日曜日に砥部町の朴庵で一時間半ほど講和を聞く事ができたとのこと、せっかく近くにいながらその機会を逃がしてしまったのは残念でなりません。

 

真民氏の詩は苦しいとき、悲しいとき、先が見えないとき、心に希望の灯をともす詩だと思います。多くの本(サンマーク出版他)が出版されているのでご興味のある方は是非読んでみてください。
たくさんの素晴らしい詩がありますが、その中の一つの『一心』という詩です。

限りある命だから
蝉もこおろぎも一心に鳴いているのだ
花たちもあんなに一心に咲いているのだ
私も一心に生きねばならない