ユーロ圏の金融危機はユーロ圏各国に飛び火し深刻の度合いを増しており、世界経済そのものに不透明感が漂い始めました。当然日本にも影響が大きくこれからも厳しい経済情勢が予測されます。

 

そんな厳しい経済状況を乗り切るためには何が大切でしょうか?色々あるとは思いますがこういう時こそ会社が一丸となって目標に向かって努力することが大切だと思います。
人間は各人さまざまな考え方がありますが、もし会社の一人一人がバラバラな考え方で行動したらどうなるでしょう?ベクトルが揃わなければ力は分散してしまい、会社全体としての力とはなりません。全員が同じ目標に向かって心を一つにしている会社とそうでない会社とでは、力の差が歴然です。ベクトルの揃っていない組織は本当に脆いものです。

 

では、どうすれば社員のベクトルを揃えることができるのでしょうか?実はこれが永遠の課題で一番難しいことかもしれません。社員一人一人は育った環境も違えば、考え方も違うのが現実です。しかし、そこにキーワードがあると思います。

 

つまり、人には今まで生きてきた物語が必ずあります。まずは社員それぞれの今までの人生、物語を聞くことから始まるのだと思います。一人一人にしっかりと向き合い今までの物語を聞いて、理解し、そしてこれからの物語を共にどう作っていくことかを語り合うことが、ベクトルを揃えることの出発点だと思います。もっと言えば、これからの人生を社員と共有することだと思うのです。

 

さらにもう一つ大切なことは、社員に何をしてもらうかではなく、何をしてあげられるかだと思います。経営者は決して社員にもたれかかってはなりません。自分のことは二の次にし、社員の将来にわたる収入を確保し、仕事のやりがいを与えることができなければならないと思います。そうして初めて経営者と社員の信頼関係も生まれてくるのだと思います。

 

これは結構大変なことですが、そのような努力の結果、ベクトルの揃った強い組織になることができるのだと思います。人との絆を大切に強い組織を作っていくことが、これからの厳しい時代を乗り切るための必要条件ではないでしょうか?