福島原発事故は今になって1号機から3号機がメルトダウンを起こしていると判明し、改めてその被害の深刻さが浮き彫りになっています。他の被災地の復興も始まったばかりで復興への道程はまだまだ見えてきません。
そんな中でも、多くの会計事務所は3月決算法人の申告時期を迎え、いわゆる繁忙期の最中であります。私どもの事務所も例外ではなく、ありがたいことに毎日決算申告の作業に追われています。
お客様の決算をお手伝いさせて頂く中で感じるのですが、最近お客様の業績の二極化が顕著になっています。つまり、良いか悪いかです。それも良いところが少なく悪いところが多くなっています。これからはその傾向が更に顕著になるのではないかと危惧しています。これはあらゆる業種に及びます。とにかく中小企業は商売が難しくなってきました。
この状況を脱するにはどうすればよいでしょうか? これはまったくの私見ですが圧倒的な専門性か又は成長産業の要素を取り入れることだと思います。実際、業績好調のところはこのどちらかの要素が見受けられます。
では、独自の専門性を築くにはどうすればよいか?それはあくなき創意工夫だと思います。今日よりは明日、明日よりは明後日と日々創意工夫をする中で、専門性が磨かれ、結果的に独自のノウハウとなり付加価値を生み出し、価格競争の中から抜け出すことができると思います。
また、成長産業の要素はどこにでもあると思います。具体的には環境関連、今回の震災で改めて問題となったエネルギー関連、医療介護関係、業種のみではなく成長する地域(アジア)にかかわる仕事をする事等々だと思います。それ以外にも工夫すれば成長要素は無限にあると思います。できれば今の仕事の延長線上で成長要素にかかわっていくことが生き残りの要件になってくると思います。
過去の努力の結果が現在です。それが決算書に現れています。それを真摯に受け止め赤字ならば今の理念や戦略を見直さなければなりません。
過去と他人は変えられませんが、自分と未来はいくらでも変えることが出来ます。輝かしい未来はひょっとすると過去さえ変えられるのかもしれません。豊かで実りある未来のために、そして日本の復興のために今が頑張りどころだと思います。