今年も税制改正の時期が来ました。税制改正大綱も発表され内容が明らかになり、我々もその対応に追われる時期になりました。

しかし、毎年毎年こうも多くの項目の税制改正が行われるものです。特に最近は税法全般にわたり、激しく改正が行われております。

 

今回の改正もかなり多岐にわたって増税案が作成されています。財務省の官僚は『やりたかった改正は今回ほとんどできた』と言っているようです。これは本来なら消費税の増税をしなければならないのに、それができない代わりに、広く増税案を作成したようです。

 

今回の改正の主な増税項目は

①相続税の基礎控除

現行  {5,000万円+1,000万円×法定相続人の数}
改正案 {3,000万円+600万円×法定相続人の数}に減額されました。
大きな増税です。これで相続税の課税割合が現在は4%ですが6~7%になると思われます。ここ最近言われ続けた増税案が現実になりました。

②相続税の死亡保険金に係る非課税限度額

現行500万円×法定相続人の数 ⇒ 500万円×法定相続人(未成年者、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者)の数に制限されました。保険会社にとっては痛い改正です。

③給与所得控除と退職所得課税の見直し

世界的に見ても高いといわれる給与所得控除にも一部メスが入りました。給与収入が1500万円を超える場合は、245万円の上限が設定されました。更に役員等の場合で2000万円を超える給与収入がある時は更に減額されます。
役員等としての勤続年数が5年以下の者に対する退職所得課税の1/2課税が廃止されました。両方とも役員等には法人の役員の他に国会議員、地方議会議員、国家公務員、地方公務員が含まれます。ある意味今回の改正の目玉かもしれません。

④その他

相続税の税率が6段階から8段階になり最高税率も引き上げ(55%)られました。また、23歳以上の扶養親族の所得控除が制限されました。

 

このようにあまり話題にはなっていないのですがかなり広く増税が予定されています。しかし、今の政治情勢を見ていると、ただでさえ与野党伯仲の厳しい状況なのに、民主党自体に分裂騒動が起きています。本当に予算案や税制改正案が成立するのか不安になります。本当にどうなるのでしょうかね?