少し前まで激しい雨が降り続く毎日でしたが、一挙に梅雨明けし日本列島が猛暑にみまわれています。最近思うのですが、どうも日本の気候が亜熱帯化しているように思われます。雨はスコールのように降り、夏は猛暑が続きます。やはり、地球の気象は世界景気と同様に異常をきたしているのかもしれません。

 

さて、前々回には、貸借対照表は社長が作っていると述べました。それでは損益計算書は誰が作っているのでしょう?

 

実は損益計算書も社長が作っているのです。ただ貸借対照表が社長の意思決定の塊だとすると、損益計算書は社長を先頭に従業員全員が作り上げていくものです。社長一人では出来ない数字です。従業員全員の努力の結果が損益計算書に反映されるのです。

 

損益計算書は一般には一年間の経営成績を表していると言われていますが、それと同時に利益を挙げるためのプロセスをも表しています。

 

いかに売上を確保し、いかにして原価低減を図り、いかに経費を節約し、税引前当期利益を確保したか、そこから税金を支払いやっと当期純利益にたどり着くのです。損益計算書はそのプロセスを語っているのです。

 

京セラの創業者である稲盛氏は売上に対して二桁の率の税前利益を目標にしなさいと言われています。しかし、実際は数パーセントの税前利益を出すのでも容易ではありません。そこに創意工夫と誰にも負けない努力を重ね二桁の利益を確保しなければならないと言われています。それは、将来の昇給の財源であり、設備投資の財源となります。数パーセントの利益ではそれらが確保できません。何よりもリーマンショックに端を発した今回のような不況を乗り越えることが出来ません。長い間には『まさか』と思われるようなことも度々起こります。それを乗り越えるためには数パーセントの利益ではもちません。普段から高収益の事業構造を作り上げていくことが大切です。

 

数字はどんな言葉よりも雄弁に現実を語ります。是非二桁の利益を目標に従業員一体になって立派な損益計算書を作り上げていきましょう。