日本では新型コロナウイルスの感染がようやく落ち着きを見せ始め、政府は緊急事態宣言を継続していた東京都など1都3県と北海道を31日を待たずに5月25日に解除した。これで全国すべての緊急事態宣言が解除となったが、松山市では牧病院で大規模クラスターが発生したり、北九州市では6日間で43人もの新たな感染者が増えた。このコロナウイルスは非常に感染力が強く、日本中どこでも第二波に襲われる可能性は十分考えられる。予断を許さないところである。

政府は5月27日に、このコロナ禍で影響を受けている企業支援を中心に第2次補正予算案を閣議決定した。雇用調整助成金の拡充、資金繰り対応の強化、学生支援緊急給付金の創設、医療提供体制の強化等とともに、家賃支援給付金の創設がされている。売上急減に直面する事業者(1か月で売上が対前年同月比で50%以上減少、または連続した3ヶ月の合計が前年同月比で30%以上減少)に対して家賃補助を行うものである。給付率は2/3、給付上限額は月額法人で50万円、個人で25万円の6ヵ月分が支給される。これとは別に松山市においては国の持続化給付金の給付決定を受けている個人事業主に対して20万円または10万円(給付金50万円以下の事業者)が支給される制度がすでに創設されています。詳しくは当事務所にお尋ねください。

このようにコロナ禍に対して、色々な支援策が創設されている。しかし、前述の通り第二波も懸念されるように、コロナ禍が長期化するのは避けられないように思う。歴史的に見ても第二波・第三波到来の可能性は高く、感染拡大と緩和を繰り返し、当面は収束しないだろう。ただ、新たな治療薬や画期的なワクチンの開発ができれば、コロナ禍も終息に向かい経済も大きく改善されると思うが時間がかかるだろう。

今回のコロナ禍は経済活動のみではなく、働き方、暮らし方、ひいては価値観まで大きく揺るがしている。アフターコロナの世界は少なくとも今までとは違う世界が加速される。空前の人手不足であったが採用市場も冷え込む可能性がある。企業の二極化がさらに進み企業数が減少するのは避けられないだろう。働き方もオンライン化を基軸にした脱三密の社会が構築されるだろう。観光等は当分はインバンウドは望めないが、コロナ疲れもあり国内需要は高まる可能性はあると思う。しかし、世の中が大きく変わるときはビジネスチャンスでもある。雇用状況の悪化は新しい人材確保の好機であり、オンライン化も積極的に進めば営業時間の見直しもできる。コロナ後の世界にあった新たな商品開発を行なったり、国内需要を取り込む工夫をすれば飛躍のチャンスになる。厳しい状況下ではあるが、今できることをしっかりと行いコロナ後の世界に備えましょう。