先月から新型コロナウイルスが猛威をふるい、日本でも感染が続いておりまだ終息の気配が見えない。政府も25日に新型コロナ対策基本方針を公表し、感染拡大阻止に躍起になっている。あらゆる手段を講じて一日でも早く終息させてほしいところである。 コロナウイルス感染は収まらないが、それを理由に確定申告の期限が延期されるはずはなく、連日遅くまで確定申告書の作成をさせていただいている。
そんな中、先日お客様の税務調査があった。きちんとした処理をされているお客様なのだが、「外注費」として計上していた支払いが、「給与」ではないかと問題となった。「給与」になるか、「外注費」になるかは以前から税務調査などでよく問題になる点である。というのも「給与」と「外注費」では、税務上の取り扱いが大きく異なるからである。外注費が給与と認定されれば、給与に対する源泉徴収義務が生じ会社としては源泉所得税の徴収漏れとなる。また消費税においても仕入れ税額控除の対象外となりどちらも増差税額が生じてしまう。それで税務署もしつこくチェックするのである。実際、給与と外注費の区分は判断が難しいケースが多い。実務においては次のような判定基準をもとに総合勘案して判断されている。
① 契約内容
請負契約に基づく役務提供であれば外注費、雇用契約に基づくものであれば給与
② 代替性の有無
代替して業務を行うことができるか?できれば外注費
③ 指揮命令監督の有無
指揮・命令・監督が発注先にある場合は給与
④ 請求書の有無
外注先が自ら請負金額を計算し、請求書を作成していれば外注費
⑤ 未引き渡し商品等に対する報酬の有無
未完成品や不可抗力のために滅失してしまった場合でも報酬が支払われれば給与
⑥ 用具・材料・移動手段提供の有無
⑦ 申告の有無
外注先が個人事業主として確定申告をしていれば外注費
等々であるが、どうしても微妙な場合は外注先に法人成をしていただければ解決する。なお、今回の事案の結論は出ていないが、外注費で問題はないと主張するつもりである。
まさかと思ったが、確定申告の期限が4月16日に延長されるとの報道がなされた。