2014年も慌ただしく暮れようとしている。 税の世界では今年の最大のトピックは消費税増税であろう。 消費税増税後の景気の落ち込みが、安倍総理に総選挙を決断させたのであるから、税は社会の重要な構成要因であり変動要因と言える。

2015年は話題になっている相続税増税がいよいよ実施されるが、 実は我々の世界でより注目されているのがマイナンバー制度の導入である。 正確には2016年からの導入ではあるが、2015年の10月頃には個人番号等の付番・通知が行われる予定である。

マイナンバー制度とは社会保障・税番号制度のことであり、国民一人ひとりに対し個人番号を、 企業に対し法人番号を付番し、個人番号及び法人番号の活用及び保護を図る制度のことである。 これは「複数の機関に存在する個人の情報を同一人の情報であるということの確認を行う」ことにより 「社会保障・税制度の効率性・透明性を高め、国民にとって利便性の高い公平・公正な社会を実現するためのインフラである」 というのがうたい文句である。

つまり日本国内に暮らす全員の個人情報を一つの番号で管理する制度であり、複数の機関にわたる名寄せができるということである。 それにより「行政サービスの効率化や税や社会保険料の未納を防ぐことができる」ということであるが、 国税庁の真の狙いは預貯金等の名寄せをすることにより、納税者の情報をより正確につかみ脱税の防止や摘発をすることである。

それが証拠に12月20日の日経新聞によると政府は2018年から銀行の預金口座にも適用する方針を固めたとのことである。 登録は当面任意として、2021年以降に義務化の是非を検討するようである。 来年はいよいよ全ての情報が管理される時代の始まりとなる。 来年の今頃はこの話題が新聞紙上を賑わさせているのではないかと思う。

今年は午年ということで「駿馬が天高く駆け上がるような飛躍の年に」と願ったのですが皆様いかがでしたでしょうか? 来年は未年です。 未は象形文字で木の枝葉が茂った様を表すとされ、未の月にあたる6月は様々な植物が成熟する季節です。 未の字には豊作への願いも込められています。 皆様にとって来年も「実り多い豊かな年」になりますことをお祈りいたします。 良いお年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。