久しぶりに事務所の研修旅行を実施し台湾に行ってきた。 旅行が平日にかかってしまったので、お客様にはご迷惑をおかけしてしまいました。 従業員の希望で台湾にしたが、親日的で、日本と気候風土も似ていてあまり外国という感じではなかったけれど、 久しぶりに異文化に触れ刺激を受けた旅行だった。

そのなかでも一番印象的だったのがキュウフン観光だった。 宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」のモデルになったところとの話がある。 映画の中で両親が豚になってしまうシーンがあるが、まさにその場所ではないかと思われるようなところで、 狭い路地を挟んで多種多様なお店が並び、ありとあらゆる全てのものを食べつくすようなエネルギーを感じた

社員には感想文の提出をしてもらったが、異文化に触れた感想や台湾の税制のことを報告してくれていて、見聞を広めるという意義はあったようである。

台湾の所得税は総合所得に対して6%~40%の超過累進税率により課税されるようだ。 日本と違うところは、年末調整がなく全員が確定申告をしなければならない制度になっている点だ。

消費税は営業税と呼ばれ5%である。 くじ付きのレシートになっていて8ケタの番号が付されており、 2か月に一度抽選によって最高200万元(760万円)が当たるとのことである。 これは消費税の徴収漏れを防ぐためのアイデアらしい。 くじ付きにすることで、消費者がレシートを要求するため店側は売り上げを除外できず脱税を防止する仕組みらしい。 今はレジに商品を通すと国税局にデータが送付されるようになっているとのことである。面白い制度である。

さらに面白いのが相続税である。 相続税の税率は2%~50%、 贈与税は4%~50%といずれも超過累進税率だったのが2009年に相続税も贈与税も一律10%に改正されたようである。 これは、富裕層が高い相続税を嫌って海外に移住するのを防止するために一律課税に改正をしたとのことである。 なお、現在カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、香港、シンガポールなどの国は相続税を廃止している。

日本は相続税の増税が2015年から実施されるが、同時に海外移住による税逃れ防止のため、 富裕層の株式含み益に出国時に課税をするという制度設計を行い、これも2015年度からの実施を予定している

法人が低税率の国を選んで本店を置くように、個人も同様に低税率の国を選んで移住するという時代になるのかもしれない。 折しも日本は年末に総選挙が実施される。 日本の借金はついに1,000兆円まで膨れてしまっている。 これからの日本の将来像を、どの政党がどのように描くのかを、しっかりと見極める選挙にしなければならないと思う。