年の瀬の12月26日に、安倍首相が靖国神社に参拝して賛否両論を巻き起こしている。早速中国や韓国が猛烈に反発して非難の声明を出している。両国との関係は益々悪化するのは避けられないところであろう。

2013年は良くも悪くも安倍さんで始まって安倍さんで終わった年といえるかもしれない。年初の円相場は88円だったのが、いまや104円となっており、更に株価は今年の初値が10,604円だったのが、12月26日の終値は16,087円で16,000円台を5年ぶりに回復している。

昨年まで長きにわたり日本中を覆っていた閉塞感が晴れてきている。円安や株価の回復はリーマンショックで傷ついたアメリカ経済とヨーロッパ経済が立ち直ってきたという幸運もあるのだが、何といってもこれ以上ない絶妙なタイミングで打ち出されたアベノミクスが回復のきっかけになったのは間違いないところである。

ただ、第一の矢の金融政策と第二の矢の財政政策は有効だったが、肝心の第三の矢である成長戦略がまだまだ先が見えない。成長戦略には思い切った規制改革が欠かせないと思う。TPP参加と復興特別法人税の廃止は安倍首相の決意が見えたが、農業等のいわゆる「岩盤規制」の見直しは手つかずといってよいと思う。靖国参拝は相当の決意を持ってされたようであるが、規制改革にこそ、その決意を持って臨んでいただきたい。活力ある日本経済を取り戻すためにはそれが絶対避けては通れないことだと思う。

2014年4月からは消費税が8%に引き上げられる。安倍首相もそのことで景気が減速しないようにと補助金や投資減税などで色々な施策を打っているが、景気動向は不透明である。そのためにも規制改革は絶対要件になると思う。

最後に雇用改革についてであるが、これも中途半端な改革になっていると思う。要は日本的雇用慣行がグローバル化に対応できていないことが問題である。思い切って規制を取り払って自由に働けるようにするのも一計かと思う。ブラック企業といわれるようではダメだが、生きるために必死に働くことは、自然界を見ても普通のことである。大切なことは仕事を通じてスキルも人間的にも成長できる社会かどうかであると思う。

あとわずかで新年を迎えます。来るべき2014年が皆様にとって駿馬が天高く駆け上がるような飛躍の年になりますようお祈りいたします。良いお年をお迎えください。