昨年の夏から歴史的な円高局面に日本が苦しんできましたが、ここに来てようやく80円台に修正されてきました。それを受けて日経平均株価も反発し9600円台に上昇しました。日本の貿易収支の赤字が理由の一つに挙げられているのであまり手放しには喜べませんが、まずは朗報です。
さて、今年も確定申告の時期を迎え、ありがたいことに私共の事務所でも毎日残業の日々となっております。ただどうしても法人のお客様にはご迷惑をおかけしており申し訳なく思っております。
昨年はあの東日本大震災に関連して、多くの方が寄付をされたと思われます。それを受けて、更に息の長い支援の一助になるべく震災関連の寄付について寄付金控除の内容が拡充されています。
具体的には、国、著しい被害が発生した地方公共団体、日本赤十字社、報道機関、中央共同募金会、認定NPO法人、公益社団法人等々12項目の寄付金が震災関連寄付金として指定されています。詳しくは国税庁のHPの東日本大震災に係る義援金等を支出した場合をご覧ください。ただ寄付金控除の対象になるには採納証明書、領収書等の書類の添付が必要です。団体を通じて寄付した場合は個人には発行されないことが多いので残念ながら控除の対象にはなりません。注意してください。
寄付金額から2千円を控除した金額が寄付金控除額となります。一般の寄付金は所得の40%が限度ですが、震災関連寄付金は所得の80%まで控除可能です。多額の寄付をされた方に配慮されています。
また一定の中央共同募金会や認定NPO法人に対する寄付金は寄付金控除に変えて2千円控除後の寄付金額の40%の税額控除(所得税の25%が限度)も可能です。
このように多額の寄付をされた方は、多くの寄付金控除が受けられるようになっています。せっかくの制度ですので忘れないように申告をいたしましょう。自分の意思で困窮している人々にお金が使われるわけですから寄付という行為は尊いものです。後年、『東日本大震災という大災害があったがこれを契機に日本にも寄付文化が根付た』と言われるようになればと思います。