今年は税務調査がやけに多い。知り合いの税理士達も多いといっている。どうも調査件数を増やすという方針が税務署内で出ているようである。
今年の調査対象になったお客様の特徴をみてみると、今まで設立以来調査が無かったとか、10年以上調査を受けていないとかのお客様が多い。
税務調査は正直何回受けても嫌なものである。何故かと言えば100点満点の答案から減点されていくシステムだからである。間違いがあれば必ずペナルティー(加算税、延滞税)が付いてくる。本当にシビアな制度です。
しかし、私どもがお客様から一番頼りにされる時でもあると思う。しっかりした決算書、申告書を作成しているか、また、税務折衝においてもいかに頼りになるかが問われるのだと思う。
お客様の中には税務調査があると絶対に追加税金を払わされると思われている方がいらっしゃいますがそれは間違いです。そんなことは絶対ありません。例えば私どもの事務所では年初から13件調査がありました。その内6件は申告是認(追加税金無し)でした。一件は結果待ちです。又、一件はご自分で申告されていた方で、調査立会の依頼を受けたお客様です。しっかりした申告をしていれば税務調査をむやみに恐れることはありません。
それでも大半のクライアントも税務調査は嫌なはずです。それではどうすれば調査がこないかというと残念ながらそういうところはありません。
ただ逆に調査対象になりやすい決算書はあります。
①粗利益率が同業他社に比較して低い、又は、粗利益率が急に低下している。
②売上に連動する経費が増加しているのに売上がそんなに増加していない。
③特別な損失がある。例えば多額の貸倒損失とか、固定資産等の売却損とか、多額の退職金が計上されている。
等々があります。その理由等をしっかりと把握しておくことが調査対応になります。
あの経営の神様といわれた松下幸之助氏も初めての税務調査のときは夜も眠れなかったと言われています。しかし、『お金は国家からの預かり物である、間違いがあれば訂正してもらい、しっかり納税をしよう』と思ったら、気が楽になりそれから調査で悩まなくなったと言われています。なかなかそういう心境にはなれませんがそうありたいものですね。