いよいよ税制改正が検討される時期になりました。所得税については1,000万円超の所得がある人には配偶者控除は認めないとか、給与所得者で2000万円超の収入部分は給与所得控除を適用しないなど高額(?)所得者に対する増税が検討され、相続税についても、基礎控除額の見直し(5,000万円→3,000万円)による増税などが検討されています。いずれにしても私たち税理士事務所にとっては目が離せない季節になりました。

 

さて、前回、『キャッシュの源泉は利益です』と述べました。会社存続のために絶対必要なものは売上でもなく粗利益でもなく利益なのです。では、どうすれば利益が確保できるのでしょうか?

 

京セラの稲盛氏は経営の原点12か条の第5条で『売上最大、経費最小』と説いています。売上は一円でも多く経費は一円で少なくという事です。実に簡単明瞭です。

売上をいかにして最大にするか、また経費をいかにして最小にするかについての具体的な話は別の機会にして今回は基本的な考え方について述べます。

 

長年、多くのお客様に関わらせていただく中で、赤字会社はお金の使い方に問題があるところが多く見受けられます。バブルの頃よくあったのですが①自分の欲望や見栄のためにお金を使う。これは経営者として最も悪いお金の使い方です。残念ながら経営者失格だと思います。次に②便利だからといってお金を使う方がいます。これもまずい例です。最後に③必要だからといってお金を使う方がいます。これも一見まともなように見えますが駄目な使い方です。

 

どうしてでしょう。それは『入るを量りて出づるを制する』という言葉に集約されます。要するに収入金額を計算してお金を使いなさいということです。収入の予測を立てて、支出はそれ以内に収めることです。

 

どんなにかっこ悪く見栄えがしなくても、どんなに便利でも、どんなに必要であっても、入ってくるお金以上に使わないことです。そうすれば必ず利益は確保できます。簡単なことです。計画性を持って入ってくるお金でやりくりする。これが利益確保の原点です。

 

ただ、経費をどんどん削減していくのみでは先細りになります。未来費用(未来のための戦略的費用)は必要ですので注意してください。