猛暑が続いていましたが、9月23日を境に秋がやってきて、一息ついた気持ちになられている方が多いと思います。

 

しかし、我々を取り巻く経済状況は、ここのところ、厳しさを増しているように思います。経済状況が厳しくなると、資金繰りに支障をきたし、どうしても借入金に頼らざるを得なくなることがあります。

 

私どもは、職業上、毎月数多くの月次試算表を拝見させていただいておりますが、皆様は我々中小企業の借入金の平均残高はいくらぐらいかご存知でしょうか?

 

TKCの黒字企業の主要分析表によると、借入金残高は、全産業平均で売上高の3.5か月分です。たとえば年商が1億2千万円であれば、3千5百万円が借入金の平均残高です。これを少ないと思うか、多いと思うか経営者の置かれている状況によって変わると思います。ただ大切なことは借入金は返済しなければならないということです。言葉を変えれば、『借入金は最大の固定費です』売上が減少しても、例えば売上0でも返済しなければならないという事です。そう考えればとても怖いですね。

 

過大な借入金で資金繰りが逼迫する事例をよく拝見します。何故そうなったのか?それは、当初の資金不足のときに『何故資金が足りなくなったのか』を追求せずに、安易に借りてしまった事にあります。

 

とにかく、借入れの効果は絶大で、汗を流すことなく簡単に現金が入ります。支払手形の決済も出来、従業員の給料も払えます。時には飲食費さえも支払えます。借入れに慣れてしまうと、残念ながら、『何故資金が足りなくなったか』を考えず、ただひたすら『いかにして借入れが出来るか』を考えるようになる経営者が少なくありません。

 

資金繰りに奔走するのは経営ではありません。借入れの怖いところはついつい慣れてしまい、いつの間にか額が増加してしまうことです。くれぐれもそうならないよう、借入れをする際には慎重にも慎重であるべきです。

 

それでも、既に多額の借入れが出来てしまった。そういう場合に『どうすれば借入れを返済できるのでしょうか?』
それは決して簡単ではありませんが、詳しくは次の機会に述べさせていただきます。