コロナ禍に伴う緊急事態宣言が解除され県をまたぐ移動も可能になったが、東京都では連日40人~50人台の新規感染者が確認されて、第2波の懸念がされているところである。とにかく3密(密閉、密集、密接)回避の制約が続く社会の中では、オンライン化を基軸にした脱三密の社会が構築されていくのだろうと思う。企業が生き残っていくためには、新たな社会の変化に対応できる企業、IT化、デジタル化ができる企業が生き残る条件になるのだろう。
経産省は中小企業を対象にした生産性を改善することを目的としてITツール導入を支援する補助金の特別枠(C類型)を導入しIT活用の拡大を図っている。補助率が1/2から3/4に最大450万円の補助額に拡充された。内容は主に次の通りである。
事業類型 | A類型 | B類型 | 特別枠(C類型) |
補助額 | 30万~150万円未満 | 150万~450万円 | 30万~450万円 |
補助率 | 1/2 | 2/3又は3/4 | |
補助対象経費 | ソフトウェア、クラウド経費、専門家経費等 | 左記+PC・タブレットのレンタル費用 |
このIT導入補助金は実に様々な業種・組織形態に対応した補助金である。中企庁のパンフレットには様々な導入事例が紹介されている。例えば①介護業(勤怠管理と請求業務効率化システムを導入した)②卸・小売業(販売管理で経営に関する情報の一元管理)③医療(電子カルテシステム導入で診察効率向上)④宿泊業(複数の宿泊予約サイトを一元管理)⑤建設業(3次元CADの活用で提案力の向上)⑥製造業(PRAの活用で業務時間を大幅削減)等々実に多くの事例が対象になる。
ただ今回から申請額が一定額以上の場合には、3年間にわたる賃上げ目標と、さらに“gBizIDアカウント”の取得が要件になった。今年は特に当該補助金の募集期間が短く、今のところ第5次募集の7月10日が最終期限になっている。“gBizIDアカウント”の取得に1~2週間かかるので現時点での今年の申し込みは厳しい状況である。ただ、コロナ後の働き方やライフスタイルにはIT化、デジタル化が必須要件だと思われる。更なる拡充策が望まれる。なお、導入対象となった案件で一定の要件に該当すれば、特別償却や税額控除などの 税制の特例が受けられます。詳しくは補助金の件も含め当事務所にお尋ねください。