27日に石破茂氏が、高市早苗氏を決選投票で破って自民党総裁に選出された。国会議員に不人気だった石破氏が選ばれたのは意外だったが、どんな政治力学が働いたのだろうか?今後の人事が注目される。石破氏には日本国の未来のために頑張っていただきたいが、長期政権の緊張感のなさや、驕りともいえる弊害が噴出している。やはり日本も政権交代が可能な国にならなければならないと思う。
先日、大洲市と大洲市社会福祉協議会が相続人以外に故人の遺産を残せる「遺贈寄付」について地元金融機関と協定を結んだという新聞記事が掲載されていた。相続人がいない単身世帯の高齢者が増加していることにも伴い、亡くなった後に自身の遺産を自治体に寄付したい人が増えている。そこで協定により円滑に寄付を受け入れる体制を整えたということである。
「遺贈寄付」とは亡くなった人が自分の遺産を寄付することである。現在は遺贈寄付を求める様々な団体があるので、遺贈寄付をすることにより自分の思いや価値観を後世に伝えることもできる。当然相続税の対象外になる。
遺贈寄付の方法は、まず「遺言書の作成」が必須になる。それを各金融機関(伊予銀行、愛媛銀行、愛媛信用金庫)がサポートするために、今回、協定を締結した。愛媛県では松山市、今治市、宇和島市等につづき、6例目とのことである。ただし、寄付は原則「現金」のみとなっている。これが大きな問題である。 田舎の多くの自治体は、不動産(土地、山林等)の所有者が地域外に居住するいわゆる「不在市町村化」が著しく増加して、「所有者が特定困難な不動産、特に山林や農地」が多数存在しているという。遺贈寄付はそれを防止する有効な手段となる。各自治体は「不在市町村化」した不動産も積極的に受け入れる態勢を整えるべきである。そうすれば多くの不動産が有効に使用され、今後の日本の国土利用にも大きなインパクトを与えることになる。是非どこかの自治体が先鞭をつけて頂きたい。
遺贈寄付は被相続人の意志によって行われるが、相続人の意志によって、相続税の申告期限までに、国、地方公共団体、公益を目的とする事業を行う特定の法人や認定NPO法人等に寄付した相続財産も相続税の対象外になる。この規定は、相続税の申告書(別表14表)にこれらの特例の適用を受けようとする旨を記載し、かつ、その適用を受ける寄付または支出をした財産の明細書その他一定の書類を添付して申告しなければならない。相続税の対象外になる相続人による公益法人などの寄付は色々制限があるが、遺贈寄付は寄付先は特定されない(相続税を不当に軽減される場合は除く)。どちらを選ぶにせよ、ご興味のある方は事前に当事務所にお尋ねください。