安倍総理の友人が経営する加計学園が、国家戦略特区を活用した獣医学部の新設をするために、総理が後押しをしたのではないかと言う報道が連日のようになされている。 一般の中小企業はこのような後押しは受けるべくもないが、経済の好循環を生み出すため、政府は多くの税制を施行し、企業を後押ししている。その主なものをピックアップしてみた。
(1)中小企業経営強化税制の創設
中小企業等の「攻めの投資」を後押しするために、設備投資減税として、7%(10%)の税額控除または即時償却などの中小企業投資促進税制の上乗せ措置を制定していたが、今年の改正でこれを改組し、新たに中小企業経営強化税制を創設した。 対象設備を拡充し、一定の器具備品・建物付属設備を追加し、固定資産税が1/2に軽減される特例対象設備も、地域業種を限定した上で、同様に拡充することで、サービス業も含め、幅広く中小企業の生産性向上を強力に後押ししている。
(2)所得拡大税制の拡充
企業の賃上げインセンティブを強化するために、所得拡大促進税制を見直し、平均給与等支給額が前年度比2%以上増加すれば、最大で大企業で当該増加額の12%、中小企業で22%の税額控除が可能となった。
(3)雇用促進税制
雇用促進税制も所得拡大促進税制とは別枠で、税額控除ができる。適用年度中に雇用者数を5人(中小企業等は2人)以上かつ10%以上増加させる等の要件を満たせば、一人40万円の税額控除が受けられる。 なお地域再生法に基づき都道府県知事が認定する「地方活力向上地域特定業務施設整備計画」を実施する企業においては、一定の要件のもと新規雇用者一人当たり60万円の控除が可能。
(4)研究開発税制の見直し
研究開発税制が抜本的に見直され、恒久措置の「総額型」「オープンイノベーション型」があるが、今回の改正で総額型に投資増加インセンティブが組み込まれた。なお「高水準型」はそのまま2年延長された。
以上を総括すると地域経済の発展のために、積極的な設備投資を行い、高い賃上げを実現し、積極的に雇用者を増加させ、積極的に研究開発を行う企業は、税制において大きな後押しを受けることができます。 多額の利益を計上し多くの納税が発生する企業ほど恩恵が大きいと言えます。今回の3月決算法人では700万円を超える税額控除を受けることができた企業もありました。特例を受けるためには一定の条件がありますので詳細は当事務所にお尋ねください。