3月29日に平成28年度の税制改正関連法案が参議院本会議で可決成立しました。 今回の税制改正の目玉は、なんと言っても消費税率を10%に引き上げることと、同時に導入される「軽減税率」です。 対象品目は「酒類」と「外食」を除いた飲食料品のほか、定期購読契約の週2回以上発行される新聞です。
また、課税事業者のみが発行できる仕入れ税額控除の対象となる税率や税額を記載した請求書いわゆる「インボイス」を平成33年から導入することになりました。 以前(27年9月)にも述べたのですが、軽減税率のために、日本独自の帳簿方式からインボイスに移行せざるを得ないので大変な費用と労力を事業者に負担させることになりました。 ただ個人消費を中心にした国内景気のふらつきが、消費増税時期の判断を難しくしています。 しかし、たった2%の増税ができないとなると財政規律や、外国からの評価も気になるところであり、安倍総理も決断のしどころだと思います。
そのほかにも多数の改正が行われましたので、その中で目につく改正をいくつか取り上げてみました。
・法人税が平成28年4月1日以後開始する事業年度から23.4%に、さらに平成30年4月1日以後開始事業年度からは23.2%に引き下げられ結果として地方税を合わせた実効税率は28年度29.97%、30年度は29.74%になり念願の20%台になりました。
・平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備、構築物の減価償却は定率法が廃止され、建物同様定額法に一本化されました。
・雇用促進税が一部手直しの上2年間(平成30年3月31日以前開始事業年度)延長されました。同意雇用開発促進地域の事業所(愛媛県では松山と宇和島の職安地域)の無期かつフルタイムの増加雇用者数×40万円が税額控除できます。
・相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人の居住用家屋を相続した相続人が、その家屋(昭和56年5月31日以前建築で耐震性のないものは耐震リフォーム後のものに限り、敷地を含む)または除却後の土地を譲渡した場合は、譲渡益から3,000万円を控除することができます。
・そのほか住宅の三世代同居改修工事等に係る特例の創設、セルフメディケーション推進のための医療費控除の特例措置、通勤手当の非課税限度額の引き上げ、贈与税の配偶者控除の添付書類の見直し等々多数の改正項目があります。 特例の適用要件もあります。詳しくは、当事務所担当者から適宜ご説明させる予定ですので、よろしくお願いいたします。