安倍総理が誕生して、円安、株高になり景気浮揚感が全国に広がっている。これは民主党から政権奪回をしてアベノミクスといわれる経済政策を打ち出すことにより、金融市場が動いた結果だと思う。

 

アベノミクスはこれ以上ない絶妙なタイミングに打ち出されたと思う。長きにわたり日本中を覆っていた閉塞感が晴れて、失われた時代が終わるのであれば本当に歓迎したい。しかし、既に多くの人が指摘しているがアベノミクスは大きなリスクを抱えているといわざるを得ない。

 

アベノミクスは①大胆な金融政策、②機動的な財政政策、③民間の投資を引き出す成長戦略の三本の矢といわれている。その中でも一番大切なのは三本目の矢である成長戦略である。これが成功しなければ金融政策で大量のマネーが市場に流通し、不景気でありながらインフレが進行するいわゆるスタグフレーションを引き起こす可能性もあると思う。

 

それと同時に驚異的なスピードで増え続ける日本の借金がある。24年度末は地方も合わせると約930兆円もの借金がある。この利払いだけでも莫大な金額だ。金利が上昇すれば財政を圧迫してコントロールが利かない状況も考えられる。そうすると今回、日銀総裁に就任された黒田東彦氏の使命は本当に重いものがあると思う。それは重々承知で就任されたことは記者会見でも伝わってきたが、是非慎重さを忘れない運用を望みたい。

 

しかし政府がいくら政策を打っても一番大切な成長戦略は民間が主役である。つまりアベノミクスの成功は実態経済がいかに活性化するかにかかっていると思う。
立派な経営をして業績を伸ばし、雇用を促進し、納税をすることが何よりの社会貢献であると主張していることが理解していただけると思う。

 

日本の人口が減少していく中、そして世界中から安価な商品やサービスが入ってくる中で、業績を伸ばしていくには新たな付加価値がある商品やサービスを提供できるかにかかっていると思う。そのためには新たな発想やひらめき、あるいは創造力が必要である。今風に言えばイノベーションが必要である。
イノベーションはどうすれば起こせるか?月並みだがやはり燃えるような情熱を傾け、真摯に努力を重ねていくことの中でしか起こせないのだろうと思う。その努力をして新たな付加価値を生み出すことができる経営者が一人でも多く出てくることがアベノミクスの成功には必要なのだと思う。