梅雨も明け毎日うだるような暑さが続いていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?去る24日に中央最低賃金審議会は、2024年度の最低賃金の目安を全国平均で50円引き上げ1054円にすると決めた。50円は過去最大の上げ幅である。支払う方は大変だが、消費者物価指数は前年比で3%前後の伸びが続いており、やむを得ない措置だと思う。
2023年度の愛媛の最低賃金は897円で全国平均の1004円よりはるかに安く、全国でも低位の県となっている。愛媛の給与支払者も頑張って昇給していかなければならない。
政府も令和6年度税制改正で、物価上昇を上回る持続的な賃上げの実現を最優先の課題として、「賃上げ促進税制」を強化した。以前は資本金1億円超の大法人向けとそれ以外の中小企業向けしかなかった規定を、従業員数2000人以下の中堅企業向け賃上げ促進税制を新設し3段階の税制にした。しかし私どものほとんどのお客様は中小企業である。中小企業向け賃上げ促進税制は下記のように改正された。
税額控除要件 | 税額控除額 | ||
改正前 | 改正後 | ||
雇用者給与等
支給増加割合 |
1.5%以上 | 控除対象雇用者給与等支給増加額×15% | 控除対象雇用者給与等支給増加額×15% |
2.5%以上 | 控除対象雇用者給与等支給増加額×30% | 控除対象雇用者給与等支給増加額×30% | |
教育訓練費要件 | 控除対象雇用者給与等支給増加額×10% | 控除対象雇用者給与等支給増加額×10% | |
※1 子育て、女性活躍要件 | 控除対象雇用者給与等支給増加額×5% | ||
最大控除額 (要件を全て満たした場合) |
控除対象雇用者給与等支給増加額×40% | 控除対象雇用者給与等支給増加額×45% | |
控除限度額 | 法人税額の20% | 法人税額の20% | |
※2 限度超過額 | 繰越不可 | 最長5年にわたって繰越控除可能 |
※1の子育て、女性活躍要件が新たに創設された。当期がプラチナくるみん認定若しくはプラチナえるぼし認定を受けている事業年度又はくるみん認定若しくは2段階目以上のえるぼし認定を受けた事業年度である場合に税額控除率が5%加算される。さらに※2限度超過額(税額控除額が引ききれなかった額)の5年間の繰越措置が新たに創設されている。改正により中小企業においては要件を満たせば最大45%(調整前法人税額の20%が限度)の税額控除が可能である。税額控除は究極の節税であり会社にとっては魅力的な制度である。今こそ経営者は、積極的な賃上げを実施し全従業員の物心両面の幸福を追求しなければならないと思う。しかし、企業利益がなければ賃上げをしたくてもできない。会社はしっかりと利益を確保することが求められるのは言うまでもない。