まだまだ日中は暑い日が続いているが、やっと朝晩は涼しくなり、秋の気配が漂うようになった。予報ではまだ平年より高い気温が続くようであるが、多くの人が早く過ごしやすい気候になってほしいと願っていると思う。
先日2025年の基準地価が発表された。住宅地や商業地を含めた全用途平均は全国で1.5%の上昇になった。これで上昇は4年連続である。海外から投資マネーが流入する東京圏がけん引役となり、地価が上昇するサイクルが続いているとのことである。
「基準地価」とは7月1日時点の全国の1㎡当たりの土地価格である。不動産鑑定士の評価をもとに都道府県がとりまとめ、国土交通省が毎年9月に集約して公表している。住宅地、商業地、工業地に分類され、土地売買時の目安とされている。公的機関が公表する指標としては他に「公示価格」と「路線価」とがある。
「公示価格」とは、1月1日時点の市街地を中心とした価格で毎年3月に国土交通省から公表される。時価に近く基準地価と同じく土地売買時の目安とされている。
「路線価」とは公示価格と同じく1月1日時点の主要道路に面した土地を対象にしており国税庁から毎年夏に公表されている。相続税や贈与税の計算の基礎として用いられている。
路線価はおおむね公示価格の8割程度の評価となっている。
今回の基準地価は東京圏で5.3%、大阪圏で3.4%、名古屋圏で2.1%、地方4市(札幌、仙台、広島、福岡)で5.3%上昇している。東京圏の伸び率は24年の4.6%から5.3%に加速している。相次ぐ再開発や人口流入を背景に、国内外からマネーがオフィス、商業施設、住宅、ホテルなど幅広い不動産関連資産に流入しているようだ。千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区では軒並み1割を超える上昇率になっている。
それに反して四国4県は、公示価格、路線価同様に今回も地価が下落してしまっている。まさに取り残された地域になりつつある。ただ、愛媛県は△0.9%で、33年連続の下落であるが、松山市は公表されたすべての地域において、横ばいか上昇している。県内でも県庁所在地や利便性の高い都市部で上昇する一方、過疎地域の下落は続き、二極化が止まらなくなっている。企業においても発展をする会社と、衰退していく会社の二極化が起こっているように、日本においても、地域においても二極化が起こっている。企業における責任者は経営者であるが、地域においては政治家や行政である。容易ではないが、情熱と創意工夫次第で衰退を止めることは可能である。今こそ取り残された地域にならないよう、真摯に努力していただきたい。