1月に稀勢の里の横綱として、一層の活躍を期待すると書いたのだが、早速、新横綱の春場所において、優勝決定戦で大関照ノ富士を下し2場所連続で優勝した。 それも13日目の日馬富士戦で左肩付近を負傷し救急車で病院に運ばれ、翌14日目にはなすすべもなく鶴竜に寄り切られた。 まともな相撲が取れる状態ではない中、翌15日目の千秋楽で大関照ノ富士に、本割、優勝決定戦と2度勝ったのだから、まぎれもなく奇跡と言ってよい。 表彰式で「君が代」合唱の際に、こらえきれずに男泣きをした稀勢の里、本当に愚直で、一途な力士である。 インタビューで「自分の力以上のものが出た。見えない力が働いた。」と語ったが、稀勢の里の一途さ純粋さがまさに「他力の風」を呼んだのだと思う。 一日も早い怪我の回復を切に願います。
さて話は変わりますが、3月21日に国土交通省が2017年1月1日時点の公示地価を公表しました。 公示地価とはいろいろ公表される地価のなかでも一番実勢価格に近いとされる価格です。 ご存知の方も多いと思いますが、相続税の計算の基準となる路線価は公示地価の8割を目安に決定され、固定資産税の計算の基準となる固定資産税評価額は公示地価の7割に設定されています。
全国の公示地価は2年連続で上昇したようです。 新聞紙上では訪日外国人の増加を受けてホテルや店舗の進出意欲が旺盛で、商業地は2年連続の上昇。 住宅地も住宅ローン減税などの施策が下支えし、9年ぶりに横ばいに転じたと書かれています。 愛媛県でも商業地の最高地点である松山市大街道2-4-13が昨年の752千円/m²→769千円/m²に上昇、 住宅地も最高地点である松山市持田町4-1-6が昨年194千円/m²→200千円/m²と上昇しています。
私は地価の上昇は上記理由のほかに、不動産投資自体が活発化している点があると思います。 一つには相続税の基礎控除額の引き下げに伴い、相続税対策として地主さんを中心に全国的にアパート建築が増加しています。 もう一つはマイナス金利で資金がだぶついているため、一部金融機関を中心にサラリーマン等にも、マンション取得に積極的に融資をしているようです。 確かに投資用不動産は相続税対策になります。評価額を1/3程度に圧縮できますが、賃貸需要が見込めない土地にアパートを建設すると、後々空室で大変な思いをすることになります。 借り上げ家賃も家賃保証は新築時のままではありません。気が付けば賃貸需要のない老朽化したアパートが残っただけということにもなりかねません。安易な節税目的で多額の投資は危険です。 くれぐれも慎重に行ってください。