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トピック

2013年

 

年の瀬の12月26日に、安倍首相が靖国神社に参拝して賛否両論を巻き起こしている。早速中国や韓国が猛烈に反発して非難の声明を出している。両国との関係は益々悪化するのは避けられないところであろう。

2013年は良くも悪くも安倍さんで始まって安倍さんで終わった年といえるかもしれない。年初の円相場は88円だったのが、いまや104円となっており、更に株価は今年の初値が10,604円だったのが、12月26日の終値は16,087円で16,000円台を5年ぶりに回復している。

昨年まで長きにわたり日本中を覆っていた閉塞感が晴れてきている。円安や株価の回復はリーマンショックで傷ついたアメリカ経済とヨーロッパ経済が立ち直ってきたという幸運もあるのだが、何といってもこれ以上ない絶妙なタイミングで打ち出されたアベノミクスが回復のきっかけになったのは間違いないところである。

ただ、第一の矢の金融政策と第二の矢の財政政策は有効だったが、肝心の第三の矢である成長戦略がまだまだ先が見えない。成長戦略には思い切った規制改革が欠かせないと思う。TPP参加と復興特別法人税の廃止は安倍首相の決意が見えたが、農業等のいわゆる「岩盤規制」の見直しは手つかずといってよいと思う。靖国参拝は相当の決意を持ってされたようであるが、規制改革にこそ、その決意を持って臨んでいただきたい。活力ある日本経済を取り戻すためにはそれが絶対避けては通れないことだと思う。

2014年4月からは消費税が8%に引き上げられる。安倍首相もそのことで景気が減速しないようにと補助金や投資減税などで色々な施策を打っているが、景気動向は不透明である。そのためにも規制改革は絶対要件になると思う。

最後に雇用改革についてであるが、これも中途半端な改革になっていると思う。要は日本的雇用慣行がグローバル化に対応できていないことが問題である。思い切って規制を取り払って自由に働けるようにするのも一計かと思う。ブラック企業といわれるようではダメだが、生きるために必死に働くことは、自然界を見ても普通のことである。大切なことは仕事を通じてスキルも人間的にも成長できる社会かどうかであると思う。

あとわずかで新年を迎えます。来るべき2014年が皆様にとって駿馬が天高く駆け上がるような飛躍の年になりますようお祈りいたします。良いお年をお迎えください。

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株式投資

株価が上昇を続け、日経平均株価は約6年ぶりに15,700円台の高値となっている。 これは欧米株が最高値を更新していることと円安が進行していることが理由と言われている。 日経平均の今年の上昇率は51%に拡大し、欧米主要国と比べても、日本が最も上昇しているようである。
 多くのアナリストが今後も安定して高値圏が続くと予想しているが、何せ株価のことである、有事等が起これば大きく乱高下するのが常である。 来年の今頃はどうなっているだろうかと思う。

さて、株式投資をする場合の代表的指標になるのが、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(株主資本利益率)等である。

PERは「株価÷一株あたりの利益」で計算される。 見方を変えれば何年先の一株あたりの利益までが株価に含まれているかの数値である。 たとえばPERが10倍であれば10年先の利益が現状の株価に含まれていると考えられる。 一般的に14〜20倍が適正と言われている。

PBRは「株価÷一株あたりの純資産」で計算される。 これは会社が解散した場合の企業価値である。 株価と純資産が一致するとPBR=1倍となり底値圏といわれているが、日本の株価が低迷しているときは軒並みPBRが1倍を下回っていた。

ROEは「当期純利益÷純資産×100」で計算されパーセンテージで表示される。 これは株主資本をどれだけ有効に活用しているかを判断する指標である。 ROEが高く推移している会社ほど高成長を遂げている企業といえる。 10%程度が普通と言われている。

以上が株価指標の代表例である。 ただ最近株式投資がマネーゲーム化してしまっている現状をみると、時代錯誤といわれるかもしれないが本来の姿ではないように思われる。
 もともと株式市場は会社が資金を調達する場であり、投資家はその会社の株を購入することによって資金を提供し、長期に応援するのが本来の姿なのだと思う。
 その企業が投資に値するかどうかは、その会社の経営者が崇高な経営理念や、哲学を持って、従業員のため、株主のため、取引業者のため必死に経営に当たり、結果を出しているかどうかで決めるべきだと思う。 そういう意味では上場企業の社長は本当に多くの人に対して責任を負っている。 株式投資には、我々もその経営者の力量を見極める力が問われているのだと思う。

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労働分配率

安倍総理がデフレ脱却のために、経済界に賃上げを求めているが、その対応は企業間で差があるようである。というのも企業間で業績の違いもあるが、賃金はいわゆる固定費を代表する経費で、一度上げると業績に係らずなかなか下げることができない経費なので慎重にならざるを得ないのだと思う。

人件費に関する代表的指標が労働分配率である。労働分配率=人件費÷付加価値の算式で計算される。付加価値とは企業が生産、販売等の活動により新しく生み出した価値をいう。具体的には売上高−外部購入費用(仕入、原材料、外注費等)で求められる。企業経営にとっては当然低いほうが良いということになる。

労働分配率が高い会社は、人件費の配分が多いことから、給料が高い会社、あるいはサービス業のように人手に依存しなければならない会社、あるいはこれが一番問題なのではあるが、付加価値の総額に対して人件費が多くなってしまっている会社等が考えられる。業種の特性なのか自社の問題なのか理由を正確に分析する必要がある。

ちなみに平均的な労働分配率は、建設製造業等では50%〜60%、卸小売業等では50%前後、サービス業は大体60%台である。

労働分配率は一般的に生産性の指標として用いられるが、実は経営効率そのものの指標だといえる。赤字企業の労働分配率を見てみると、70%から80%もの数字になっており付加価値のほとんどが人件費に支払われており、その他の経費が足りなくなって赤字に陥っている。

これはなかなか根が深い問題である。この現実を逆から見ると、この人件費をかけなければ売上が上げれない企業体質に陥っている会社である。労働分配率が高い会社の社員が遊んでいるのかといえば当然そうではない。改善するには商品そのもの、又は売上先を見直すとか、小手先ではなく、事業形態自体を変化させなければ対応できないのである。

大切なことは労働分配率が高くなり始めたときに、如何に早く対策が打てるかである。放置すればそれが企業体質となり容易には改善できなくなる。理想的な会社は労働分配率を下げながら、従業員の給料を上げていける会社である。そのためには利益率が高くなければならない。ここに努力と知恵が必要になってくる。簡単ではないが、多くの企業がそのような会社になることができればデフレなどすぐに脱却できるはずだと思う。

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認定経営革新等支援機関

順調な滑り出しをしたアベノミクスも、第三の矢である民間の設備投資を促進する成長戦略の成果が十分でないまま消費税増税を控え、今まさに胸突き八丁にさしかかっている。

そんな中、先日、認定支援機関向けの経営改善・事業再生の研修を2日にわたり受講してきた。36名の受講生を6グループに分け、事業再生計画、経営改善計画の策定支援方法を、事例ごとに、グループディスカッションを中心に研修が進められた。受講メンバーは我々のような税理士、公認会計士と金融機関の方がほとんどだった。

経営不振に陥った自動車部品製造業、レストラン業、ドラッグストアー等6事例を題材にまずグループ相関図ビジネス俯瞰図等を作成し企業実態の把握をして、窮境原因、経営課題を明確にして、その除去可能性や解消の方向性をグループごとでまとめて、全体で各グループが発表を行った。おおむね結論は一致していたが、中にはユニークな意見もあり、金融機関の本音の部分も垣間見えて勉強になった。

後先になってしまったが、そもそも認定支援機関とは正式には認定経営革新等支援機関という。これは中小企業庁が中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を支援機関として認定した機関のことである。私も個人として今年の3月に認定を受けた。

認定支援機関の支援業務は多岐にわたるが具体的に次のような支援策がある。
@窮境企業の経営改善計画策定支援(策定報酬2/3の補助金あり)
A商業・サービス業等の事業者が認定支援機関の助言を受け経営改善のために設備投資を行った場合の 減税措置
B経営環境の変化等により一時的な業績悪化への対応のため事業計画の策定支援・実行支援等を受ける  事業者を対象にした日本政策金融公庫による低利融資
C創業や経営多角化等による新たな事業計画の策定・実行支援等を受ける事業者を対象にした日本政策  金融公庫による低利融資
D新たに起業・創業や第二創業を行う女性や若者に対して計画の実施に要する費用の一部助成

その他にも色々あるが詳しくは当事務所(089-973-7577)か、四国経済産業局中小企業課(087-811-8529)にお問い合わせいただきたい。



盛和塾世界大会

盛和塾の世界大会に参加してきた。盛和塾とは京セラの創業者で最近では日本航空の再建をなしとげられた稲盛和夫氏を師と仰ぐ経営塾である。その塾生が世界中から4,300名も集い、事前の選考会で選ばれた8名の塾生による経営体験の発表が行われた。

極貧生活の幼少期をすごし、世をすね、落ちこぼれていた人が稲盛経営哲学に出会い大きく自分を変えた人、事業拡大を進めていた矢先に、食中毒事件を相次いで起こしてしまい、倒産寸前の危機的状況から母親の愛情と盛和塾の学びで救われた人、才覚と強烈な個性で起業された人が、盛和塾の学びで私利私欲の経営から社員のためにという軸に自分を変えることができた人、とにかく皆さんそれぞれにドラマがあり、必死に逆境を乗り越えて成長される様は、胸に迫ってくるものがあった。

発表者に共通しているのはプロセスや、きっかけはさまざまだが、皆さん真の経営者に目覚める瞬間を語られている。その話を聞いているとその瞬間がどの時点でおきるかはその人が持っている運命というしかないのだろうと思った。

その中で最優秀賞を受賞されたのは、小豆島で農業生産法人を経営されているI氏である。彼はオリーブ及び柑橘類等の栽培加工販売をされて、何とあの小さな小豆島で40億円の売上、2億円の利益を出されています。驚きの一言です。

事業拡大のきっかけになったのは小豆島にお遍路に訪れる人たちに風呂を貸してあげ、風呂上りに自分の農園で取れたみかんをふるまったところ、その美味しさにその方たちから注文が来るようになった。

そこで思い切ってリストアップしたお客さん280名にDMを発送したところ300を超える注文があり、そこから通信販売を始めるようになり、オリーブ製品も加わって年商1,000万にすぎなかった家業が今や40億もの売上の立派な企業に成長されています。

稲盛氏も『小豆島という小さな島でいくら頑張ったところで、普通ならたかがしれていると思われる農業という家業を、通信販売や、加工品にして販売し付加価値を高め素晴らしい企業に発展されたのは驚きである。どんなハンディがあろうとも創意工夫を続けて素晴らしい経営をすることができる見本である』と絶賛された。世の中がどんなに厳しい経営環境になろうとも、どんな辺鄙なところであろうとも、創意工夫とたゆまぬ努力で素晴らしい発展ができるのだと改めて思うことができ、大きな力をいただいた。



財政の現状

日本税務研究センターが主催する夏期セミナーを受講してきた。昨年は所用で出席できなかったが、改めて中身が濃い研修だと思った。

今年も財務省から前主税局総務課長に、税制改革と今後の動向という講演を受けたが、中身は日本の財税状況が中心であった。基礎的財政収支はここ最近益々悪化し、いわゆるワニの口は開きっぱなしである。

財務省のレジュメは良くできているのだが、その中にわが国の財政を家計にたとえたらという次のような表が掲載されていた。


いかがであろうか?40万円しか収入が無いのに60万円もの家計費を使いその上19万円ものローン返済がある。不足分は毎月39万円もの新たな借入れでまかなっている。その借金が積もり積もって7,631万円になる。一般家庭や企業であればとうに破産している。こういう状況であれば誰も融資などしてくれないはずなのに、国家となると融資を受けることができる。不思議である。誰がこんな状態にまでしてしまったのかと言いたくなる。

ここにきて安倍政権が消費税増税を再検討と記事が出ているが、真の経済再生を目指すのであれば財政再建は避けて通れないと思う。消費税増税は先延ばしすべきではない。しかし増税のみに頼る財政再建は危険であるし、不可能であると思う。歳出削減つまり家計費60万円の削減の努力は当然求められる。日本の歳出削減の努力は決定的に足りないと思う。今こそ痛みを伴う財政再建の好機である。安定政権はそのために与えられたと考えるべきではないだろうか。




経営者と決算書

先日ソフトバンクによる米携帯会社スプリント・ネクステルの買収が決まった。買収金額は何と1兆8千億円とのことです。相変わらず孫正義氏は思い切ったことをされます。


しかし、その結果ソフトバンクは携帯電話の契約総数が9,700万件になり世界第3位の携帯電話会社に躍進するとの事です。


私たちは仕事柄たくさんのお客様の決算書を拝見したり、作成させていただいていますが、決算書は社長の性格や考え方がそのまま反映されていると感じます。堅実でまじめな性格の社長であれば、堅実な 安心感のある決算書になり、強気で前向きな社長であれば、躍動感がある決算書になります。


そこで、孫正義社長がどういう人なのか、ソフトバンクの決算書よりその考え方や性格を考えてみました。
孫氏は創業社長なので、上場企業といえど、その性格が反映された決算書となっているだろうと思います。
以前にも書かせていただきましたが、貸借対照表は経営者の意思決定の塊です。社長の考え方や性格がより反映されていると思いますので、まずソフトバンクの貸借対照表を見てみます。



上記の貸借対照表を見ますと積極的に資金を調達して投資をした結果が表れています。特筆すべきは上記には表示されていませんが、前期と比較してたった1年で資産総額が1兆6千億円増加しています。
これは多額の借入金等や、下記の経営成績で解るように、高業績による高い経常利益(653,214百万円)を元に積極的投資をされた結果です。



上記の決算書からは孫氏の強気で積極的な性格が読み取れます。もともと孫氏は、10年先には世の中はどうなっているかを熟考して投資をする手法で成長されています。ヤフーへの投資、アイフォンへの投資 を他に先駆けることにより、先行利益を得てきています。驚くべき能力だと思います。


ただその結果として、自己資本比率が23.1%しかありません。前期にいたっては19.1%です。KDDIの自己資本比率が55%、NTTドコモがなんと75%あることからみれば、大きく見劣りがします。しかし、孫氏がリスクを覚悟で積極的投資を続けてきた結果、今のソフトバンクがあるわけです。


今回のような1兆8千億円もの多額の投資の成功のためには、今のような高収益(経常利益率10.3%)な業績が必須要件になると思います。収益性が低下すれば、たちまち資金的に苦しくなると思います。同時 に収益性の確保以上に大切なのは、ソフトバンクの『情報革命で人々に幸せを』という経営理念を孫氏がどれだけ純粋に思いつづけられるかにかかっているのではないかと思います。ともあれ、強気な性格の 孫氏が、今後どういう結果を出していくか興味は尽きません。


顧客の創造

順調な滑り出しをしたアベノミクスだが、ここに来て株価と金利がおかしくなり始めた。実体経済に波及する前に変調をきたしだした。これから日本経済がどうなるかは予断を許さない状況といえるだろう。


そんな中、政府より2017年度末までの向こう5年間を緊急構造改革期間とする3本目の矢である成長戦略の工程表が発表された。企業再編や設備投資を促す産業競争力強化法案や、派遣期間や業種の拡大を盛り込んだ労働者派遣法の改正、国家戦略特区の選定等々が盛り込まれているが肝心な法人税の減税や、雇用の見直し、農地の自由化等は全て見送られ中途半端な感は否めない。


中途半端な援助よりも、規制をはずして、より自由度の高い競争の場を提供する事のほうが大事だと思うがいかがだろうか?


現在日本でイノベーションを起こして成長を続けている企業の代表例はユニクロではないかと思う。今やユニクロの代名詞になっているフリースやヒートテックは、もともとあった素材を顧客のニーズに合わせて提供したものであると柳井氏が述べている。


フリースは登山用の衣類などとして販売されていたが、値段も高く、一般の人にはほとんど知られていなかった。しかし肌触りはいいし、軽く、何より温かい。洗濯も簡単。それで何年もかけてデザインは?色はこれでいいのか?と細かく試行錯誤を繰り返して、低価格で高品質なフリースとして売り出したとの事である。


また、ヒートテックはそれまでにあった「ババシャツ」を薄くて着心地が良くてアウターとしても着られるおしゃれな商品として売り出し、新しい価値を提供し、それまでになかった需要を作り出したのである。


柳井氏は、これらは本当に顧客の立場に立って顧客は何が欲しいのか?何を求めているのか?をそれこそ頭がショートして煙が出るくらい考えて作り出した製品であると話されている。まさにドラッカーの言う『顧客の創造』そのものである。


柳井氏はドラッカーを大変尊敬していて商売をするようになって、ドラッカーの言葉がいかに正しかったかを実感しているとのことである。このように『顧客の創造』が出来る企業を少しでも多く輩出することが成長戦略には不可欠と思われる。

平成25年6月TOPIC


消費税改正

新聞紙上によるとアベノミクスへの期待感から、円安になり、それを好感して株価も上昇し上場企業の決算も好業績になっています。特に輸出企業や、金融関係の企業がアベノミクスの恩恵を受けているようです。


しかし、愛媛の中小企業の現状はどうも年明けから、悪化しているように思われてなりません。四国財務局による四国の景況判断によると今年の1〜3月までの下降超幅が前期13%に対して7.8%に縮小しているとのことです。7〜9月には上昇超幅に転じる見通しとの事です。そうなれば何よりですが、お客様の業績からは実感がわきません。


そんな状況ですが、愛媛でも建築業界は忙しくなっているようです。これは消費税増税を見越した駆け込み需要だと思われます。多額の金額になるのであるから、消費者が消費税増税前に建築をしておこうというのは当然でしょう。


先日も大手のリフォーム会社から『リフォームについての税金』について講演を依頼されましたが、その会社も愛媛でも受注は好調のようです。


ご存知のように消費税は平成26年4月より8%に増税されます。しかし、建物建築など、契約から完成引渡しまで相当な時間を要するものについては、引渡しが平成26年4月1日以後であっても、今年の9月30日までに契約を締結していれば5%の税率が適用されます


ところで、工期が延びてお客様からは5%しかいただけないのに、材料や外注先の支払いには8%支払わなければならない場合があります。あるクライアントから「5%のときに購入しておかないと損をするのでは?」と聞かれましたが「それは違います」と回答しました。


事業者にとって消費税は預かりの税金です。消費税負担者はあくまで消費者つまりエンドユーザーです。5%と8%の差額はその差額分だけ税務署に納付する消費税が少なくなります。簡易課税を適用できる事業者は別ですが、原則事業者は消費税で損をすることはありません


平成26年4月1日以後に仕入れた場合、需給のバランスから仕入単価が安くなる可能性もあると思われます。不要不急なものを購入せず『当座買いの原則』に徹して経営されることが賢明だと思います。

平成25年5月TOPIC


アベノミクス

安倍総理が誕生して、円安、株高になり景気浮揚感が全国に広がっている。これは民主党から政権奪回をしてアベノミクスといわれる経済政策を打ち出すことにより、金融市場が動いた結果だと思う。


アベノミクスはこれ以上ない絶妙なタイミングに打ち出されたと思う。長きにわたり日本中を覆っていた閉塞感が晴れて、失われた時代が終わるのであれば本当に歓迎したい。しかし、既に多くの人が指摘しているがアベノミクスは大きなリスクを抱えているといわざるを得ない。


アベノミクスは@大胆な金融政策、A機動的な財政政策、B民間の投資を引き出す成長戦略の三本の矢といわれている。その中でも一番大切なのは三本目の矢である成長戦略である。これが成功しなければ金融政策で大量のマネーが市場に流通し、不景気でありながらインフレが進行するいわゆるスタグフレーションを引き起こす可能性もあると思う。


それと同時に驚異的なスピードで増え続ける日本の借金がある。24年度末は地方も合わせると約930兆円もの借金がある。この利払いだけでも莫大な金額だ。金利が上昇すれば財政を圧迫してコントロールが利かない状況も考えられる。そうすると今回、日銀総裁に就任された黒田東彦氏の使命は本当に重いものがあると思う。それは重々承知で就任されたことは記者会見でも伝わってきたが、是非慎重さを忘れない運用を望みたい。


しかし政府がいくら政策を打っても一番大切な成長戦略は民間が主役である。つまりアベノミクスの成功は実態経済がいかに活性化するかにかかっていると思う。
 立派な経営をして業績を伸ばし、雇用を促進し、納税をすることが何よりの社会貢献であると主張していることが理解していただけると思う。


日本の人口が減少していく中、そして世界中から安価な商品やサービスが入ってくる中で、業績を伸ばしていくには新たな付加価値がある商品やサービスを提供できるかにかかっていると思う。そのためには新たな発想やひらめき、あるいは創造力が必要である。今風に言えばイノベーションが必要である。
 イノベーションはどうすれば起こせるか?月並みだがやはり燃えるような情熱を傾け、真摯に努力を重ねていくことの中でしか起こせないのだろうと思う。その努力をして新たな付加価値を生み出すことができる経営者が一人でも多く出てくることがアベノミクスの成功には必要なのだと思う。

平成25年4月TOPIC


税制改革

先日(1月25日)平成25年度税制改革の大綱が閣議決定され、当該改正案が3月の上旬に国会に上程される予定である。


既に新聞紙上等でご存知だとは思うが、なかなか盛りだくさんの内容である。大綱の前書きに現下の経済情勢を踏まえ、「成長と富の創出の好循環」の実現に向け、民間投資の喚起、雇用・所得の拡大、中小企業対策・農林水産業対策等のための税制上の措置を講ずる。また、社会保障・税一体改革を着実に実施するため、所得税、相続税及び贈与税についての所要の措置、住宅取得に係る税制上の措置等を講ずる。さらに、震災からの復興を支援するための税制上の措置等を講ずる。と書かれている。


民間投資の喚起や雇用の拡大は設備投資減税や雇用促進税制の拡充、相続税は基礎控除の引き下げによる課税強化、贈与税については、最高税率を相続税に合わせる一方で、子や孫等が受贈者となる場合の税率構造の緩和、消費税率引き上げにともない、住宅ローン減税等の拡充等々を網羅的に表現していてさすが日本の官僚の文章だと変なところで感心させられる。


ところで、今回の税制改正で驚いたのは、10年間、500万円の非課税投資を可能とする日本版ISA(非課税講座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)と教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置についてである。


何が驚いたかというと、日本版ISAは非課税口座を証券会社が管理し、何とその口座の動きを税務署とオンラインで結んで管理する予定であるらしい。


また教育資金の一括贈与(1,500万円まで)に係る贈与税の非課税措置については、銀行等がその非課税口座を管理し、教育資金かどうか銀行等が判断し、その口座から支出をするとの事である。銀行等にとってもなかなか大変な作業である。なお、この制度は30歳までに使用しなかった金額は贈与税が課税される。鳴り物入りの制度だが、個人的にはその効果に?である。


ともあれ、国税庁は将来導入が予定されている全国民を番号で管理するマイナンバー制への布石として金融機関を介し課税管理を行おうとしているのであろう。マイナンバー制は社会保険制度の悪用や脱税を防止するために必要な制度であるとは思うが、個人情報を国が管理するという制度である。決まり文句になってしまうが慎重な運用が求められよう。

平成25年3月TOPIC


人質事件

正月早々1月16日にアルジェリアにおいて、イスラム過激派によるテロが起こり、10人もの日本人が殺されるという衝撃的な事件が起こってしまった。何故こんなことが起こってしまうのだろうと思う。


100歳を超えて今なお現役の医師として活躍されている日野原重明氏が『命があるということは使える時間があるということだ』と語られていた。100歳を超えた日野原氏が語られる言葉なのでより重みがある。しかし、テロリスト達は一瞬にしてその使える時間を奪ってしまったのである。


ましてや、日揮の社員はアルジェリア国家の発展の手伝いをしていた人達である。本人たちはさぞかし無念だろうし、遺族の悲しみを思うと言葉が見つからない。テロリスト達もほとんどが命を落としている。自分たちの命を懸けて他人の命を奪う、結局それが戦争というものだろうが、改めて何と愚かなことだと思う。


テロリスト達にも言い分はあると思うが、どんな理屈を言っても、国家に貢献している何の罪も無い人々の命を奪って良いことなど絶対に無い。何のための宗教かと思ってしまう。『人として正しいことは何か』この非常に基本的な考え方さえ持っていれば今回の事件など起こるはずが無いと思う。


私たちもいずれ必ず命が尽きる。毎日毎日確実に死に向かって時間を使っているのは事実である。だからこそ、与えられた使える時間をいかに使うかである。


『人生はどのような考え方を持つかによって決まる』ということは今回のような悲しい事件をみても明らかである。薄っぺらな正義感を振り回す気はさらさら無いが、やはり、いかに正しい考え方を持って『自分に与えられた使える時間を、出来れば自分のためだけではなく、他の人たちのためにも大切に使っていくこと』が命ある人間の勤めだと改めて思う。


最後になりましたが、今回のテロにより何の罪も無く亡くなられた人々のご冥福を心からお祈り申し上げます。

平成25年2月TOPIC