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相続マンション評価見直し最高裁判決

令和4年4月30日

このところのニュースはロシアのウクライナ侵攻や、新型コロナウィルスの感染者数が中心になってしまっているなか、4月19日に注目されていた税法裁判の最高裁判決が下された。相続マンションの財産評価通達6項に基づく鑑定評価額を採用するか否かなどが争われた事件について、原審同様に国側の鑑定評価額を認め、納税者の上告を棄却した。3月に最高裁で弁論が開かれたため納税者の逆転勝訴があるのではと、傍聴席19席を求めて85人が並ぶほど注目されていた。判決文を読むと、高裁の相続税法22条(評価の原則)の論旨に問題があるということで、弁論が開かれたようである。

事案の概要

札幌在住の被相続人が信託銀行等から10億5,500万円を借り入れ、合計13億8,700万円の2棟の首都圏マンションを購入、被相続人死亡後、本件各不動産を路線価に基づき3億3,370万円で評価し、さらに銀行借入金等の債務控除を適用し、相続税額は0円として申告したが、国税当局は当該相続財産を総則6項に基づき約12億7,300万円と再評価し相続税の総額約2億4,000万円とする賦課決定処分をしたことにより争いとなった。

最高裁は路線価に基づく評価と実勢価格に大きな差があるだけでは「相続税法に反しているとは言えない」としながらも、「評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが本件各不動産の購入と銀行借り入れのような行為をせず又はすることができない他の納税者と上告人らとの間に看過し難い不均衡を生じさせ、実質的な租税負担の公平に反するというべきであるから、合理的理由があると認められる」と本件各不動産の価額を本件各鑑定評価額に基づき評価したことは、適法であると判示した。

総則6項は「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」というもので、課税庁のいわゆる「伝家の宝刀」である。「税負担の公平に反するべき事情がある場合」は例外規定の追認をした形で、実質的適用に「お墨付き」を与えたようで今後の運用が気になるところである。しかし、通達評価額と鑑定評価額が大きく乖離しているだけでは足りず、そこに介在する被相続人の節税意図やその行為を必要としていることは注目すべき点である。また、本判決では、総則6項の明確な適用基準が示されることが期待されたが、特段の基準と言えるまでの言及はされなかった。そういう意味でもあいまいな部分が残った点は否めないと思う。

納税者の節税を求める行為は経済合理性から考えると、当然な行為であり節税行為全てが許されないわけではない。しかし、今回のような行き過ぎた節税はいわゆる租税回避行為とみなされ否認されるリスクが高いと言わざるを得ない。


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般若心経

令和4年3月31日

確定申告も一段落し、気を抜いたわけではないのだが、風邪をひいてしまって10日以上治らずに苦労している。念のためPCR検査を受けたが、陰性との診断で胸をなでおろしている。いつも春分の日に墓掃除をしていたのだが、遅れて先日(27日)掃除をしてきた。清掃の後はいつも般若心経を唱えている。両親もそらんじていたので私もそらんじることができるのだが、深い意味は解らずに般若心経を唱えていた。調べてみると、般若心経は大乗仏教の真髄が集約されており、存在には実体がないという「空」と、悟りとしての「般若」の2つの思想について説かれているようである。

観自在菩薩 行深般若波羅密多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是空 受想行識 亦復如是 舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中 無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色聲香味触法 無眼界 乃至無意識界 無無明 亦無無明尽 乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無知亦無得 以無取得故 菩提薩垂 依般若波羅密多故 心無圭礙 無圭礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想 究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅密多故 得阿耨三藐三菩薩 故知般若波羅密多 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅密多呪 即説呪日 羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶 般若心経

以上300字ほどの短いお経だが、現代の言葉に訳すと次のようになる。観音菩薩は真理を悟る修行に努める中で、ある真実にたどり着いた。その真実とは私たちを構成するあらゆるものは「空」であること。そして、この気づきによって観音菩薩は全ての苦しみから解放されたのである。シャーリプトラ(舎利子)よ、形あるものは実体がないことと同じであり、実体がないからこそ一時的な形あるものとして存在する。そして形あるものは即ち実態無きものであり、実体がないからこそ一時的な形あるものとして存在する。シャーリプトラよ、この世のあらゆる物事は空なのであるから、生ずることなく滅することもなく、汚れることも汚れないこともなく、増えもせず減りもすることはない。心身ともにすべては空であり、実体は存在しない。つまり視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、心といったものも存在しないのである。そして、これらの感覚が存在しないのであるから、これを受け取ることで働く意識や思考も存在しない。見て感じるということもないし、迷うことも迷わなくなることもない。また老いて死ぬこともないし、老いて死ぬことがなくなることもない。

紙面がないので途中になるが、難解だが、哲学的、普遍的であり、ある意味科学的でもあると思う。このような境地にはなれそうにもないが、すべては自分という自我があらゆるものを作り出しているのかもしれない。


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ロシアの暴挙

令和4年2月28日

今年も昨年と同様に、コロナ禍の中、連日多くの方の確定申告をさせていただいているが、そんな中ロシアのウクライナへの全面侵攻というとんでもないニュースが飛び込んできた。ウクライナ各地の軍事施設が空爆で破壊されたほか、ロシア軍はウクライナ各地に侵攻し、首都キエフも包囲され、十数キロに侵攻してきているようだ。ウクライナという主権国家に全面戦争を仕掛け侵略するというまれにみる暴挙である。米欧それに日本もロシアに対して経済制裁を実行すると表明しているが、効果が表れるには時間がかかるし、天然ガスのロシアの依存度が高い欧州は、どこまで実行できるか疑問である。プーチン氏は歯牙にも掛けてないのではと思ってしまう。

1945年以来80年近くに及んだ「戦後」はあっけなく終わってしまった。世界は再び、危うい時代に逆戻りしたと考えざるを得ない。2022年2月は「暗黒の2月」として世界の歴史に刻まれることになる。プーチン氏は歴史に名を遺す政治家になった。日本にとっても対岸の火事ではない。中国や、北朝鮮は事の顛末に目を凝らしている。ロシアが軽い代償しか払わずに済めば、台湾海峡などで強硬に出ても大丈夫だと判断してしまうだろう。そういう意味でも今後のロシアに対する対応が本当に重要である。

1945年の第二次世界大戦の終戦以来、曲がりなりにも平和が続いてきたが、それが壊れる予兆はあった。それはコロナウィルスがきっかけになった。新型コロナウイルスの感染爆発は、国民の政府への不満を増幅させ、民主主義国では選挙などで指導者が交代した。中国、ロシアなど強権国家は国内の不満を力で抑え込み、対外強硬路線に突き進んだ。その対立が鮮明になっていた。

ロシアは超えてはいけない一線を越えてしまった。世界は今、冷戦後最大の危機の淵に立たされている。国連をはじめ国際社会はロシアを止めるために団結し、経済制裁を実行しなければならない。ロシアは世界一の天然ガス、そして世界第二の石油の産出国であり、制裁する側も大きな影響を受けることは避けられない。とはいえためらっている猶予はない。今こそ多くの国が制裁の輪に加わりロシアの暴挙を止めなければならないと思う。

日本も国力の低下が指摘され始めて久しいが、今回のような事態を目の当たりにすると、やはり防衛力を含めた国力が必要ということになる。その側面からも経済の立て直しが急務である。ただ今は、恐怖にさらされているウクライナの人々に一刻も早く安全な日々が戻ることを祈るばかりである。


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事業復活支援金

令和4年1月31日

今年こそはコロナウィルスがおさまってほしいと願っていましたが、オミクロン株が猛威をふるっている。29日には新規感染者数が8万4,936人になり、2週間前の6.5倍になった。愛媛県でも連日300名超の新規感染者が確認されている。まさに止まるところを知らない。

このような状態の中、大きな影響を受ける中堅・中小・小規模事業者・個人事業者に対して、事業規模に応じた給付金が支給されることになった。(1)(2)を満たす事業者が給付対象になり得ます。

(1)以下のいずれかの理由により新型コロナウィルス感染症の影響を受けた事業者
  • @国や地方自治体による、自社への休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請
  • A国や地方自治体による要請以外で、コロナ禍を理由として顧客・取引先が行う休業・時短営業やイベント等の延期・中止
  • B消費者の外出・移動の自粛や、新しい生活様式への移行
  • C海外の都市封鎖その他のコロナ関連規制
  • Dコロナ関連の渡航制限等による海外渡航者や訪日渡航者の減少
  • E顧客・取引先が@〜D又はF〜Hのいずれかの影響を受けたこと
  • Fコロナ禍を理由とした供給減少や流通制限
  • G国や地方自治体による休業・時短営業やイベント等の延期・中止その他のコロナ対策の要請
  • H国や地方自治体による就業に関するコロナ対策の要請
(2)2021年11月〜2022年3月のいずれかの月(対象月)の売上高が「2018年11月〜2019年3月」、「2019年11月〜2020年3月」「2020年11月〜2021年3月」のいずれかの期間の任意の同じ月(基準月)の売上高と比較して50%以上又は30%以上50%未満減少した事業者
(3)給付上限額
売上高減少率 個人事業者 法人
年間売上高
1億円以下
年間売上高
1億円超5億円以下
年間売上高
5億超
▲50%以上 50万円 100万円 150万円 250万円
▲30%以上50%未満 30万円 60万円 90万円 150万円

数字がはっきりしている(2)は問題ないが(1)が微妙である。詳しくは当事務所にお尋ねください。なお相談窓口では自己判断でお願いしますとの回答が多いです。


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